矢原名誉教授が牧野富太郎のふるさと高知県でギボウシ属の5新種1新亜種を発見

~種の保存法による緊急指定種に指定しDNA判定で盗掘防止へ~

ポイント

・園芸価値の高いギボウシ属植物の新種を発見し、環境省は緊急指定種に指定した
・ゲノム情報を活用した最新技術で新種の系統関係を特定しDNA判定を可能にした
・本研究で用いた技術によりさらに多くの植物の新種が発見されると期待される

概要

 ギボウシ属(キジカクシ科)は紫色や白色のかわいらしい花をつけ、園芸植物として広く利用されています。約25種の野生種のうち、16種は日本に生育しています。このギボウシ属において一挙に6つの新植物(5種1亜種)が発見されました。このうち2種類(1種1亜種)は自生地における個体数が限られているため、環境省により種の保存法にもとづく緊急指定種に指定されました。
 九州大学大学院理学研究院の矢原徹一名誉教授、高知県立牧野植物園藤井聖子氏、東北大学陶山佳久教授、大阪公立大学廣田峻助教、九州オープンユニバーシティ佐藤広行研究員らの研究チームは、ゲノム情報を活用した最先端の系統解析と注意深い形態・開花期の観察にもとづいて、高知県にギボウシ属の5新種1新亜種が生育していることを明らかにしました。
 ギボウシ属は園芸植物としての価値が高いため、新種が発表されれば、自生地から不法に採集されるおそれがあります。このため研究チームはMIG-seq法という最先端技術を用いて、個体の採集地を特定できるDNA情報を整備し、不法な採集・販売が行われた場合に、その行為を摘発できるようにしました。

 本研究成果は植物分類学の国際誌「Phytokeys」に2023年11月に発表されましたが、環境省による12月26日の緊急指定発表まで情報を伏せていました。

用語解説

(※1) ゲノム
DNA分子全体が持つ遺伝情報。生物種を特徴づける多くの遺伝子のDNA配列からなる。近縁種ほど配列が類似しており、このような配列の類似・違いをもとに、生物の系統関係を推定できる。
(※2) MIG-seq
ゲノム中のDNA配列の違いを効率よく検出する技術のひとつ。RAD-seqという海外で開発された技術に比べ、より簡便で、さまざまな材料に適用できる。

詳細

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