酸性で駆動する超疎水性二酸化炭素還元電極

~二酸化炭素の効率的資源化~

ポイント

・二酸化炭素(CO₂)電気化学的還元は、多くの場合アルカリ性の電解質を使って反応が行われるが、CO₂がアルカリ電解質に溶解することによってできる炭酸塩の析出により電極が破壊されるという問題があった。
・今回、酸性条件下で高いCO₂還元性能を示す超疎水性の銅極薄電極を作製しました。
・本成果により、地球上での炭素循環を促進し、地球温暖化や資源エネルギー問題の解決に貢献することが期待される。

概要

 二酸化炭素(CO₂)電気化学的還元は、再生可能な電力と水とCO₂から価値のある化学物質や燃料を合成する化学プロセスです。多くの場合、アルカリ性の電解質を使って反応が行われますが、CO₂がアルカリ電解質に溶解することによってできる炭酸塩の析出により電極が破壊されるという問題がありました。
 本研究では、酸性条件下で高いCO₂還元性能を示す超疎水性の銅極薄電極を作製しました。
 九州大学先導物質化学研究所、東北大学材料科学高等研究所の山内美穂教授の研究グループは、多孔性構造と超疎水性を有する銅極薄電極を用いることで、通常では銅電極が活性を示さない酸性水溶液中においても、CO₂を還元して効率よく多炭素化合物を合成することに成功しました。
 今回の発見は、地球上での炭素循環を促進し、地球温暖化や資源エネルギー問題の解決に貢献します。
 本研究成果は英国の雑誌「Nature Communications」に2024年1月15日(月)19時(日本時間)に掲載されました。

詳細

詳細はプレスリリースをご参照ください。

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