BlueMemeと九州大学、量子AIを用いた大規模言語モデル構築のための共同研究を開始

従来AI技術の運用コストを低減する量子AIを、バイオメディカル言語モデルに応用

株式会社BlueMeme(ブルーミーム、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:松岡 真功、 以下 BlueMeme)は、九州大学生体防御医学研究所高深度オミクスサイエンスセンターバイオメディカル情報解析分野長﨑研究室(以下、九州大学 長﨑 正朗 教授)と、「量子AIを用いたバイオメディカル言語モデル」の社会実装に向けた共同研究を、2023年4月より開始しました。

IT企業であるBlueMemeが、なぜバイオメディカル情報解析に取り組むのか

バイオメディカル情報解析(※1)は、AIをはじめとするコンピューティング技術の活用により大量の生物学的データを効率的に処理し、医療研究や臨床治療に活用できる有用な知見を提供します。
一方BlueMemeは、最新コンピューティング技術を用いた企業のDXに先進的に取り組んでまいりました。そのため、バイオメディカル情報解析分野は、当社が直接課題解決に寄与できる対象領域であると捉えています。

共同研究の取り組み

医療研究や臨床治療に活用できるバイオメディカル言語モデル(※2)を共同開発
量子AI(※3)の活用により大規模言語モデルの学習・推論に係るパラメータ数(※4)を大幅に削減

両者の役割

BlueMeme
・量子AIのバイオメディカル言語モデルのためのアルゴリズム提案・構築
・GPUシミュレータを含む量子計算プラットフォーム上での量子計算
九州大学
・メディカルインフォマティクスの専門知識に基づく、ゲノム情報解析をはじめとしたオミクス解析技術の実応用
・量子計算プラットフォームに応用可能なアルゴリズムの提案、試験評価計画策定

用語解説

※1バイオメディカル情報解析:ゲノムデータなどの生物学的データや患者の医療記録などの臨床情報を、機械学習や統計学などの計算科学的手法で解析すること。
※2バイオメディカル言語モデル:バイオメディカル情報解析に特化するために、DNAなどの膨大な生物学的データや臨床情報を学習させて開発する人工知能モデル。
※3量子AI:人工知能と量子コンピュータを融合させた研究分野。量子コンピュータによる演算の特徴を機械学習・深層学習に応用する研究が行われている。
※4パラメータ数:人工知能モデルがデータから学習するための調整可能な変数。パラメータ数の大小によりモデルの性能が決定される。

詳細はこちらからご確認いただけます。
プレスリリース全文はこちら

九州大学ホームページもあわせてご参照ください。

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