~地震観測以外の新しい活用~
ポイント
・地震計データから季節や曜日、時間帯における人間活動の特徴を捉えた
・コロナ禍による経済・余暇活動の縮小を可視化
・人間活動をモニタリングする新しい指標として期待
概要
国立研究開発法人 産業技術総合研究所【理事長 石村 和彦】(以下「産総研」という)活断層・火山研究部門【研究部門長 伊藤 順一】 地震災害予測研究グループ 二宮 啓 研究員と九州大学【総長 石橋 達朗】 地球資源システム工学部門 辻 健 教授、池田 達紀 助教は、首都圏に設置された地震計データから、新型コロナウイルス感染拡大に伴う社会活動の低下を明らかにした。
地震計には、地震動以外にも様々な振動が記録されている。本研究では、人間活動に伴って発生する振動が、コロナ禍において低下したことを明らかにした。第1回目の緊急事態宣言の期間、人為的な振動の強さが最も小さくなった。その後、日曜日の振動は平日と比較して、回復が緩やかであった。これは、経済活動が再開した一方で、多くの国民が自らの判断で余暇活動を自粛し続けたためだと考えられる。新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済・余暇活動の縮小を地震計データから可視化した。これは地震計データを人間活動のモニタリングに応用できることを示すものである。
なお、本研究成果は英国のオープンアクセス電子学術誌「Scientific Reports」に2021年11月5日(イギリス時間)に掲載される。
詳細
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