4000万年前の地球磁場で“前例なき長期反転”を新発見

理学研究院
高橋 太 准教授

ポイント

・約4,000万年前の地層から、最大7万年にも及ぶ“長期磁場反転”を新発見
・深海堆積物の高時間解像度解析により、複雑な磁場反転プロセスを詳細に捉えることに成功
・地球ダイナモモデルの予測とも整合し、“長期反転は地球磁場の本来の性質”である可能性を示唆

概要

地球の磁場は、過去に何度も「南北が入れ替わる」反転現象を起こしてきました。これまでの研究では、こうした磁場反転は一般的に1万年ほどの比較的短い期間で進行すると考えられていました。

このたび、高知大学海洋コア国際研究所の山本裕二教授、フランス国立科学研究センターおよびソルボンヌ大学の BOULILA Slah 博士、九州大学大学院理学研究院の高橋太准教授、米国ユタ大学の LIPPERT C. Peter 准教授らによる国際研究チームは、約4,000万年前の深海堆積物に残された古地磁気記録を高精度で解析し、当時起きた2回の磁場反転を特定しました。解析の結果、これらの反転は約1万8千年と約7万年をかけて進行していたことが判明し、従来想定されてきた「反転は1万年程度で完了する」という理解を大きく上回るものであることが明らかになりました。さらに、地球内部で磁場を生み出すプロセスを扱う数値モデルでも、反転の継続時間には大きな幅が生じ得ることが示されており、今回の成果は磁場反転の時間尺度には本質的な多様性が存在することを裏付ける重要な証拠となります。

反転期には磁場が弱まり、太陽から到来する高エネルギー粒子に対する地球表面の防御力が低下します。そのため、今回明らかになったような“長く続く反転”が発生した場合、当時の地球環境や生態系は、より長期間にわたり強い放射線の影響を受けていた可能性があります。

この研究成果は、2026年1月20日付で科学雑誌Communications Earth & Environment電子版に掲載されました。

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