~CO₂地中貯留の連続モニタリングに向け超小型震源装置の開発~
ポイント
・4cmのモータを用いた超小型震源装置を開発し、装置からの振動(モニタリング信号)を約1km伝達させることに成功しました。
・震源装置の小型化実現により、多数の装置の定常的設置が可能となり、連続的に地中貯留したCO₂をモニタリングできるようになり、安全な操業につながります。
・今回開発した超小型震源装置を用いることで、モニタリングコストを大幅に低減できる可能性があります。
概要
東京大学大学院工学系研究科の辻健教授らの研究グループは、cmスケールの超小型震源装置を開発し、連続的にCO₂貯留層をモニタリングするシステムを構築しました。超小型震源装置は、その振動エネルギーは微弱でも、連続的に信号(振動)を発振し、それらを足し合わせることで信号のエネルギーを増大させ、信号を遠地まで伝達させることができます。震源部に4cmのモータを用いた場合には、1km程度離れた地点にもモニタリング信号が伝達することがわかりました。つまり、CO₂を貯留する地層(深度1km程度)をモニタリングできると考えられます。これまでのモニタリングでは大きさ数mの大型震源装置が利用されていましたが、連続的に貯留CO₂をモニタリングすることはコストの面で現実的ではありませんでした。
今回開発した超小型震源装置を定常的に設置すれば、連続的かつ安価にCO₂貯留層をモニタリングでき、CO₂の漏洩につながるような急なCO₂の移動も検出できると考えられます。
本研究成果は、2022年9月14日に米国地震学会の「Seismological Research Letters」に掲載されました。
詳細
九州大学プレスリリースをご参照ください。