原発性サルコペニアと末期腎不全に関連する筋萎縮の比較解析

~マルチオミクス解析による新たな知見~

九州大学病院
瀬戸山 大樹 助教

ポイント

・原発性サルコペニアと末期腎不全(ESRD)に関連する筋萎縮は異なるメカニズムを持つことが明らかになり、疾患特異的な治療法の開発が期待されます
・メタボロミクスとプロテオミクスの統合解析により、尿素回路やカテコールアミンなどの代謝物、神経栄養因子受容体(CNTFR)などのタンパク質が疾患ごとに異なる役割を果たしていることが判明しました
・本研究で特定されたバイオマーカーを活用することで、筋萎縮の進行度をより正確に評価し、患者ごとに最適な栄養療法や運動介入を設計することが可能となり、個別の病態やリスク因子に応じた精密な医療への転換が期待されます

概要

加齢に伴う「原発性サルコペニア」と「末期腎不全に関連する筋萎縮」は、それぞれ異なる病態でありながら、どちらも骨格筋量と筋力の低下を引き起こします。本研究では、これらの筋萎縮に関わる分子レベルの違いを明らかにするため、メタボロミクス(代謝物解析)およびプロテオミクス(タンパク質解析)を統合したマルチオミクス解析を実施しました。特定された代謝物やタンパク質は、新たなバイオマーカーとして活用できる可能性があり、早期診断や進行予測の精度向上が期待されます。また、個々の患者の代謝特性に基づいた栄養介入や薬物治療が可能になれば、より効果的な筋萎縮の予防および治療戦略の構築に貢献することが期待されます。

本研究は、九州大学病院検査部の瀬戸山大樹助教、韓国国立忠南大学のYi Hyon-Seung教授、ソウル大学のDohyun Han博士およびKwon Obin博士の共同研究成果です。国際的な研究チームによる多面的なアプローチを通じて、異なる疾患群における筋萎縮のメカニズムを解明し、今後の治療法開発の基盤を築くことを目指しました。

本研究成果は、Journal of Cachexia Sarcopenia and Muscle誌に2025年4月10日(木)に掲載されました。

詳細

本研究の詳細はこちらをご参照ください。

お問合せ先

九州大学病院 瀬戸山大樹 助教

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