ヒゲナガガの新種を東京都高尾山麓で発見!

~SNSの掲示版に投稿された写真がきっかけ~

[研究の意義や背景]
ヒゲナガガ科は昼行性の美しいガ類で、その中のウスベニヒゲナガNemophora属は全世界で約180種、日本では28種が知られています。近年は日本から新種が見つかっていませんでしたが、東京都高尾山麓でまったく予期しなかった未知種が発見されました。

[経緯]
本種の発見は、地元の自然愛好家である伊藤健一氏が2021年9月下旬に本種の交尾個体を高尾山麓で撮影し、その写真をネット上のある掲示板に投稿したことに端を発します。九州大学大学院農学研究院の廣渡俊哉特任教授(当時:教授)が偶然その写真を見て、日本では未知の種であることを確信しました。

[結論]
2022年に得られた追加標本をもとに、九州大学大学院農学研究院の研究チームにより、翅の斑紋、翅脈、雌雄交尾器の形態等を既知種と比較するとともに、DNAバーコード領域を解析しました。その結果、本種は未記載種であることが判明したのでNemophora takaosanaという学名(和名はタカオコヒゲナガ)を与え新種として記載しました。

[掲載時期]
本研究成果は国内の雑誌「Lepidoptera Science」に2024年10月30日(水)に掲載されました。
詳細についてはこちら

研究者からひとこと

今回の発見は、自然愛好家がネットの掲示版に投稿した写真がきっかけでした。写真を見たときはとても驚きました。これまで発見されなかった理由は、本種が非常に小型(開張11mm前後)であること、出現時期が他の種に比べて遅いこと(9月下旬〜10月上旬)などが考えられます。本種の調査をした時はワクワクしましたが、今後の保全対策も望まれます。

ヒヨドリバナから吸蜜するメス成虫

お問い合わせ

大学院農学研究院 特任教授 廣渡 俊哉
Mail:hirowat_t★agr.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。

【12/2開催】【学内限定】「TOEIC(R)L&R スコアアップ講座」

油と水の相互作用で人工嗅覚センサの“堅牢性”を高める!

関連記事

  1. オオクロバエは鳥インフルエンザウイルスを運ぶ

    農学研究院藤田 龍介 准教授今後の鳥インフルエンザ対策にはハエにも注…

  2. カーボンクレジット市場におけるCO₂削減技術の優…

    ~ 世界7185件のプロジェクトを対象としたデータ解析で有用性を実証 ~…

  3. ベトナムで奇妙な寄生バチの新種を16種発見

    〜世界のカブトバチ類の種数が一気に3割以上増加〜ポイント・寄…

  4. 令和4年度農学部附属演習林北海道演習林 公開講座…

    「野外セミナー・十勝の森と樹木」令和4年度農学部附属演習林北海道演習…

  5. 母牛から仔牛へ”腸内細菌のバトン”

    ~母牛への中鎖脂肪酸給与が腸内細菌叢を制御して仔牛の飼料効率を改善させる~…

  6. 【11/22開催】 Lounge#3「地球環境変…

    ~令和の米騒動はなぜ起きた!!最近の地球環境変動は⾷料⽣産にどう影響する…

  7. 「九州大学学術研究都市」セミナーin東京2021…

    「九州大学学術研究都市」セミナーin東京2021本セミナーは、世界的…

  8. 「韓国のファーブル」石宙明の昆虫標本が九州大学に…

    〜戦前の朝鮮半島の環境の推定・希少種の保全に期待〜農学研究院廣渡 俊…