どこでもいつでも無線で電⼒伝送可能な技術

 ~ 新たなメタサーフェスの実現と無線電⼒伝送技術への有効性の確⽴~

ポイント

・従来型無線電⼒伝送システムには伝送効率、伝送距離、ミスアラインメントで電⼒伝送ができないという問題ありました。
・上記の問題を対処するため、新たなメタサーフェスを開発し、それらを⽤いて磁場の制御に成功しました。
・タブレット、携帯などを机に置くだけで充電可能な技術の開発が期待されます。

概要

 スマートフォンや医療機器などの⼩型デバイスの普及に伴い、充電の⽅法が有線から無線へと移⾏しています。このようなシステムでは、無線電⼒伝送(※1)が不可⽋ですが、WPT システムを⼩型化することで電⼒伝送効率が低下し、遠距離での電⼒伝送に制約が⽣じていました。また、受信機と送信機の位置のずれにより、電⼒伝送が妨げられる問題も存在しました。本研究では、新たなメタサーフェス(※2)を開発し、⼩型化されたWPT システムに導⼊することで、元の伝送効率を維持しながら、最⼤300%まで伝送距離を向上させることに成功しました。具体的には、メタサーフェスを導⼊する前の40mm の伝送距離での伝送効率が8%だったものが、メタサーフェスを応⽤することで78%まで向上しました。さらに、受信機と送信機の位置ずれによるミスアラインメント(※3)の問題も、開発したメタサーフェスの応⽤により⼤幅に改善されました。このような新たなWPT システムの性能向上は、当該分野においては画期的な成果となりました。
 九州⼤学⼤学院システム情報科学研究院Ramesh Pokharel(ポカレル ラメシュ)教授のグループと共同研究者のMohamed Aboualalaa(モハメド アブアララー)外国⼈特別研究員が、メタサーフェスの設計を⾏い、無線電⼒伝送システムの送信器と受信器の間の磁場を制御することにより、無線電⼒伝送距離およびミスアラインメント問題が解決されることを明らかにしました。
 本研究成果は⽶国の雑誌「IEEE Transactions on Instrumentation and Measurement」に2023年10⽉17⽇(⽔)午前10時(⽇本時間)に掲載されました。

用語解説

(※1) WPT システム:Wireless Power Transfer は、電⼒を物理的な接触なしで伝送する技術です。
(※2) メタサーフェス:負や零と近い透磁率を有する⼈⼯誘電体のことを⽰します。
(※3) ミスアラインメント:ミスアラインメントとは、送信側と受信側のコイルやアンテナが完全に⼀致していない場合や、位置がずれている場合を指します。このミスアラインメントが⽣じると、伝送効率の低下、熱の問題、通信の中断が送る可能性があります。

詳細

詳細は九州大学プレスリリースをご参照ください。

茎枯病抵抗性のアスパラガス新品種「あすたまJ」を育成

九州⼤学⽔泳部が七⼤戦男⼥アベック優勝

関連記事

  1. 光照射を用いた超高解像度な遺伝子解析技術の開発に…

     ~組織内に潜むがん細胞の病理診断などに応用可能~ ポイント・組…

  2. 世界初!ユニークな音響特性を持つシリカガラス製楽…

     ~ 国際ガラス年2022閉会式をギター演奏で祝福 ~  九州大…

  3. 《8/21開催》令和7年度第5回I²CNER S…

    講師はSushanta Mitra教授(ウォータールー大学、カナダ)です…

  4. 【7/4開催】RIAMフォーラム2024

    ~ 新しい時代を拓く ~ 応用力学研究所(RIAM)は、力学とその応…

  5. 農産廃棄物から高機能食品包装を開発

    カボチャ皮を活用し、鮮度保持と食品ロス削減に貢献農学研究院田中史彦教…

  6. 混合廃プラスチックのリサイクルに新たな手法

    廃プラスチックのなかのポリウレタンを選択的に分解する触媒の開発工学研究院…

  7. AIが「理想の主翼」を自律設計、計算コスト1/1…

    ―水素・アンモニア燃料機など脱炭素機の開発加速に期待―工学研究院下山…

  8. 高効率かつ高耐久で円偏光を示す新規発光ラジカルを…

    3Dディスプレイ、バイオイメージング、レーザー応用に期待先導物質化学研究…