動いて並んでつながって。タンパク質が幾何学模様に!

~プログラムされた分子が自発的にナノ模様を形成~

ポイント

・タンパク質が自発的に動いて相手を選びながら模様をつくる
・タンパク質の部品を変えるだけで模様の種類を制御できる
・タンパク質を魚の群れのように操る分子ロボットの作成技術につながる

概要

 東京工業大学 生命理工学院 生命理工学系の菊池幸祐大学院生と上野隆史教授、古田忠臣助教のグループは、九州大学 大学院理学研究院の前多裕介准教授、福山達也研究員(当時)、名古屋大学/自然科学研究機構生命創成探究センターの内橋貴之教授の研究グループと共同で、タンパク質の部品を組み換えることで目的のナノ模様をつくりだすことに成功した。
 タンパク質集合体(用語1)は、持続可能なナノマテリアルや生体内ではたらく分子ロボットの素材として注目されているが、望みの模様をつくりだすことは困難とされていた。本研究では棒状の構造を有するタンパク質に着目し、その両末端を改造することで分子をプログラムし、三角形格子や横並び状態、ファイバー構造などの二次元ナノ模様の作り分けに成功した。
 今回の二次元ナノ模様は、タンパク質の群れが動きまわりながら相手を見つけ、連結していくことによって形成される。したがって、これまで分子レベルでは実現されてこなかった、イワシやムクドリの群れのようなアクティブマター(用語2)としてのタンパク質の利用が見込める。さらに、タンパク質が模様の欠陥をみずから修復して整列していく様子も確認されており、生体適合性の自己回復フィルムやタンパク質由来のウェアラブルデバイスをはじめとする、次世代スマート材料(用語3)としてさらなる応用が期待される。
 本成果は、新学術領域「発動分子科学」と文部科学省科研費の支援によるもので、ナノマテリアル分野において最も権威のある学術誌のひとつである「スモール(Small、Wiley-VCH誌)」のオンライン版で1月6日に公開された。

用語解説

(1) タンパク質集合体:タンパク質同士の相互作用によって複数のユニットが集まり、より大きなサイズや高度な機能をもつようになったもの。

(2) アクティブマター:魚や鳥、細胞、タンパク質など、自発的に運動しながらも集団として秩序だった行動パターンをみせる物質のこと。

(3) スマート材料:周囲の環境や刺激を知覚・判断し、それをもとに適切な行動を起こす機能素材。

詳細

詳細につきましては、こちらをご参照ください。

「マス・フォア・インダストリ研究所の紹介」(第34回 Q-AOS Brown Bag Seminar Series)

【学内向け】医療における国際交流・貢献の現状と未来

関連記事

  1. 【7/31開催】九州大学ビジネス・スクール(QB…

    ~社会人学生である修了生・在校生の仕事と学業の両立、QBSに入学することのメ…

  2. 霜月ランチタイム交流会「女性と男性が共に健康で暮…

    オンライン開催(2021年11月15日(月)ランチタイム)男女共同参…

  3. 《8/30開催》全国がんプロ協議会市民公開シンポ…

    がん医療の新たなニーズとその新展開次世代のがんプロフェッショナル…

  4. 【受賞】安達千波矢主幹教授「2025年度江崎玲於…

    大学院工学研究院 応用化学部門の安達 千波矢 主幹教授が「2025年度 江崎…

  5. 《2/26開催》第178回アジア・オセアニア研究…

    井上 大介 准教授(芸術工学研究院 未来共生デザイン部門)九州大学ア…

  6. 九州大学アカデミックフェスティバル2021(We…

    九州大学アカデミックフェスティバル2021(Web)九州大学では例年…

  7. 七夕ランチタイム交流会「男女共同参画推進室の活動…

    オンライン開催(2021年7月8日(木)ランチタイム)男女共同参画推…

  8. ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(調査分…

    ~「女性活躍指標に基づく女性研究者活躍促進に関する国際調査」~ …