リボソーム二量体化の新機構を解明

-リボソーム機能制御機構研究の新展開-

農学研究院
石野 園子 学術特任教員

ポイント

・真核生物や真正細菌では、ストレス環境下でリボソームが二量体化し、タンパク質合成を停止することが知られていたが、古細菌でそのような仕組みがあるかどうかわかっていなかった。
・古細菌のリボソームの二量体化機構をはじめて明らかにした。
・本研究で明らかになったリボソーム二量体化機構は、これまで知られていた機構とは全く異なる新しいタイプのものであった。
・本研究は、リボソームの機能制御機構のみならず、生物の環境適応機構を理解するための重要な手がかりを提供するものである。

概要

新潟大学自然科学系(理学部)の伊東孝祐准教授、内海利男名誉教授らの研究グループは、チェコ共和国のMasaryk University, Central European Institute of Technology (CEITEC) のGabriel Demo博士らの研究グループ、および九州大学大学院農学研究院の石野園子学術特任教員と共同研究を実施し、古細菌(注1)のリボソーム(注2)が二量体化(注3)する様子を、クライオ電子顕微鏡解析によってはじめて明らかにしました。本研究は、新規のリボソーム二量体化機構の発見であり、リボソームの機能制御機構研究に新たな展開をもたらすものです。また、本研究は、古細菌が極限環境にどのように適応しているのか、その分子機構を理解するために重要な手がかりを提供するものです。

本研究成果は、2025年1月11日、科学誌「Nucleic Acids Research」(Impact Factor: 16.6)にオンライン掲載されました。

用語解説

(注1)古細菌
真核生物、真正細菌と並ぶ生物の主要3系統の1つ。超高温や強酸性等、極限環境で生育するものが多い。

(注2)リボソーム
細胞内でタンパク質を合成する生体分子。

(注3)二量体化
2つの同じまたは異なる分子が結合して一体となること。

詳細

本研究の詳細はこちらをご参照ください。

生命現象における「熱」を視る小さな蛍光分子温度計の開発

テストステロンがアルツハイマー型認知症のリスクを低減

関連記事

  1. 【9/14開催】AI ドローン フェスタ プレ大…

    ~ドローンプログラミング大会を開催!~楽しみながら人工知能やロボット…

  2. イオン伝導と強誘電の⼆⼑流!

    ~ イオン輸送を⽤いた極性機能の新提案 ~ポイント・⼀般的に…

  3. 【学内向け】2022年度 JST 戦略的創造研究…

    【学内向け】2022年度 JST 戦略的創造研究推進 未来社会創造、創発的研…

  4. 世界初!蒸気に応答して広波長帯域の近赤外吸収を劇…

    ~アルコール蒸気で消去、水蒸気で書き込み可能な近赤外吸収スイッチ材料~…

  5. 小惑星べヌーの砂に生命を構成する「糖」が存在

    ―アミノ酸、核酸塩基に並ぶ主要な生命材料分子を検出―理学研究院奈良岡…

  6. [3/4開催]令和7年度第8回&第9回 I²CN…

    講師はProfessor. Shuhuai Yao(台湾科技大学)、Prof…

  7. 《1/15開催》令和6年度第8回I²CNER S…

    Karlsruher Institut für Technologieより …

  8. ⽔を⾼核偏極化する⾊素材料の開発に成功

    〜⼀重項励起⼦分裂(シングレット・フィッション)の新しい応⽤を提案〜…