石川邦夫教授が紫綬褒章を受章

~歯学研究院の石川 邦夫(いしかわ くにお)教授が、令和6年春の紫綬褒章を受章しました。~

石川教授は、東レ株式会社、徳島大学歯学部助手、岡山大学歯学部助教授を経て、平成13年11月に本学大学院歯学研究院教授に就任。歯科治療に使用される人工骨補填材について、溶解析出法という新しい製造方法を発明し、骨組成(炭酸アパタイト)骨補填材を開発しました。

従来の人工骨補填材は機能が限定的であり、歯科領域においては荷重が負荷されるインプラントを前提とした骨再生術などへの適用は承認されていませんでした。そのため、患者自身の骨を採取し、骨欠損部に移植する自家骨移植が第一選択として行われていましたが、自家骨移植には健全部位への侵襲、採取可能な自家骨量や形態の制限など、重篤な問題がありました。

本開発により、骨組成(炭酸アパタイト)骨補填材は適用制限がない歯科用人工骨補填材として初めて薬事承認され、従来行われていた自家骨移植が不要になるなど、歯科医療環境を一変させました。

今後は整形外科用炭酸アパタイト骨補填材としても実用化を見込むなど、国民生活、健康・医療の向上に多大な貢献を果たしたことなどが高く評価されました。

九州大学ホームページも併せてご参照ください。

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