見逃されている「きつ音」の中高校生の不登校の原因の一つを発見!

〜「きつ音」中高校生の社交不安症の併発に注意〜

ポイント

・「きつ音」を主訴で病院に来る中高校生の26%が不登校。
・不登校の一つの原因として、社交不安症が関係していることを発見。
・「きつ音」中高校生に社交不安症の予防が必要。

概要

 「きつ音」(どもり症)は発話時に流暢に話せないことがあることが特徴で、中高校生に1%に存在します。幼児期、小学生の頃は「きつ音」の支援は教育機関・福祉医療機関での対応がありますが、中高校生以降は支援する機関が少なく、困り感の現状が分かっていませんでした。九州大学病院ではあらゆる年齢の「きつ音」の対応をしており、中高校生の相談に不登校が多いことに気づき、その要因を解析しました。
 その結果、26%の中高校生は不登校で来院し、その原因の一つとして、社交不安症(あがり症、対人恐怖症)が関係していることを発見しました。
 九州大学病院耳鼻咽喉・頭頸部外科の中川尚志教授、菊池良和助教、山口優実博士、福岡教育大学の見上昌睦教授、長崎県立大学の吉田恵理子准教授、東京都福生第七小学校の髙橋三郎博士、国際医療福祉大学の梅﨑俊郎教授らのグループは、「きつ音」を主訴に来院した中高校生84名のうち22名(26%)が不登校であることを明らかにし、その要因を解析しました。不登校群と登校群を社交不安尺度で比較すると、有意に不登校群で社交不安尺度が高い結果が判明しました。社交不安症に関係する因子として、「吃音が出た後に、気持ちが落ち込む」「話す際に手足が震える」ことが判明しました。
 今回の発見は、「きつ音」の中高校生の支援の必要性についての課題を発見し、今後の支援に役立つことが期待されます。
 本研究成果は日本国の雑誌「Pediatric International」に2023年9月10日に掲載されました。

詳細

詳細は九州大学プレスリリースをご参照ください。

九大法文学部創設100周年記念事業 過去・現在・未来をつなぐモニュメント

無機機能性材料の特性を向上させる新しい手法を開発

関連記事

  1. 免疫細胞の炎症制御「硫黄代謝」がカギ

    〜マクロファージの硫黄代謝を標的とした創薬にむけて〜ポイント…

  2. 卵子の遺伝子が受精後に働く仕組み解明

    ~不妊・流産の原因解明、治療法開発へ期待~ポイント・卵子の遺伝子…

  3. 低浸透圧の液体に曝されても上皮細胞が破裂しない仕…

    ~上皮細胞シートの破綻に起因する疾患に対する新たな治療法の開発に期待~…

  4. ⻩麹菌細胞におけるmRNA⽣成メカニズムを世界で…

    ~発酵⾷品に⽋かせない微⽣物、有⽤物質のさらなる⽣産量向上に期待~ポ…

  5. キネシン生体分子モーターの無細胞合成に成功

    ~ 細胞やバクテリアを使わずに手軽に生体分子モーターを合成することが可能に …

  6. 夜間の温泉利用と血圧変化

    ~夜の温泉入浴は高齢者の血圧低下に影響か?~九州大学病院 別府病院山…

  7. 卵子染色体の正常性維持におけるヒストン修飾の新た…

    ~ヒストン修飾H3K4me3は卵染色体や紡錘体の安定性を制御する~農学研…

  8. 肥満がRNF213遺伝子変異保有者の頭蓋内動脈狭…

    〜福岡脳卒中データベース研究(Fukuoka Stroke Registry…