海域間で異なるニホンウナギ の回遊行動

海域間で異なるニホンウナギ の回遊行動

令和5年7月8日に、海域間で異なるニホンウナギの回遊行動についての学術論文が、SpringerNature の国際誌 Animal Biotelemetry に掲載されました。本研究は、水産資源調査・評価推進事業(ウナギユニット)において、長野大学淡水生物学研究所、水産研究・教育機構、九州大学の共同研究として行われたものです。

ポイント

・日本の3地域で、産卵回遊するニホンウナギの衛星追跡調査を行いました
・どの地域のウナギも産卵場方向へ移動する傾向がみられました
・回遊行動は海域間で異なっており、水塊構造が一因であることが考えられました

概要

 長野大学淡水生物学研究所、水産研究・教育機構、九州大学からなる研究チームは、産卵場へと移動するニホンウナギの回遊行動を明らかにするために、ポップアップアーカイバルタグ による追跡調査を、日本の3地域(東海地方、日本海側、東北地方)で行いました。追跡調査の結果、どの地域のウナギも産卵場方向へ移動する傾向があること、回遊行動には地域差があることを明らかにしました。また、回遊行動の地域差には、水塊構造が関係していることが考えられました。
 近年、ニホンウナギの資源量は急減少し、適正な資源管理が求められています。一方で、その基礎となる資源構造や海洋での回遊期間は、十分に理解されていません。各地域を出発したウナギの産卵回遊行動 を明らかにすることは、ニホンウナギの資源構造や回遊期間をよりよく理解することができます。本研究成果は、令和5年7月8日に国際学術誌「Animal Biotelemetry」に掲載されました。

詳細

詳細はこちらをご参照ください。

フジイギャラリー企画展示「元寇防塁研究と九州大学」を市民、モンゴルの留学生が見学

第104回アジア・オセアニア研究教育機構(Q-AOS)Brown Bag Seminar Series「授業における聴覚障害のある児童・生徒・学生への教育・支援のあり方」

関連記事

  1. ⾃然資本の増加が持続可能な社会に不可⽋

    ~ 包括的な成⻑を⽬指すロードマップ提案 ~ ポイント・気候変…

  2. 海洋微生物のDHA生合成系の解明

    ~サスティナブルなn-3高度不飽和脂肪酸の生産が可能に~ DHA(1…

  3. アンドロゲン受容体の重複進化による、“かたちと繁…

    ~ 魚類のオスの装飾的なかたちや求愛行動を爆発的に進化させた起爆剤を解明 …

  4. JST-RISTEX「人とシステムの協働による海…

    JST-RISTEX「人とシステムの協働による海岸清掃共創シナリオの構築」研…

  5. 3D&VR技術で、誰でもいつでもサンゴ礁を鑑賞で…

    〜最新技術を活用して、“自然資源”の保護につなげる社会実装プロジェクトを始動…

  6. 海でつながる高校生ミーティング’21 ~九州の高…

    海でつながる高校生ミーティング’21 ~九州の高校生が自分の活動を発表するミ…

  7. うみつなぎシンポ2023 ~続けていくこと~

    「うみつなぎシンポ2023~続けていくこと~」を開催いたします。九州…

  8. 【8/10開催】九州大学うみつなぎ ハイブリッド…

    ~海の学びステップアップ! 世界につながる小さな実践の積み重ね~九州…