局所⿇酔薬の安全な最⼤使⽤量を⽰す新ルールを提案

~⼩児の⻭科治療・⼝腔外科⼿術の安全性向上に期待~

ポイント

・現在、⼩児⻭科治療の局所⿇酔薬の使⽤上限量に明確な基準がなく、世界においては幾つものルールが乱⽴している。
・今回、国内で初めて⼩児⻭科の局所⿇酔薬の最⼤推奨⽤量のルールを提案した。
・今回提案したルールにより、⻭科医師側の混乱と患者側の不安が軽減し、⼩児の⻭科治療の安全性と安⼼感の増加が期待される。

概要

 局所⿇酔薬中毒の発症は⾎中濃度と関連するため、⿇酔薬の使⽤量が上限量を超えなければそのリスクは軽減します。特に、⼩児⻭科治療の局所⿇酔薬について、患者ごとの使⽤上限量を簡便に算出できる基準がないため、局所⿇酔薬中毒による重⼤な医療事故が⽣じています。
 今回、九州⼤学⼤学院⻭学研究院の⼀杉岳講師、および東京⼥⼦医科⼤学⻭科⼝腔外科佐々⽊亮講師らは、世界中の⿇酔薬の最⼤推奨⽤量に準ずる基準を⾒直し、⽇本の⼩児⻭科治療に適した局所⿇酔薬の安全な最⼤推奨⽤量(maximum recommended dose: 以下MRD、※1)を⿇酔薬の種類を問わず簡単に求められる「体重6kg 毎に⻭科⿇酔薬の注射を半分ずつ増やす」ルール、HC/6 ルール(Half Cartridge/6 kg ルール)を新たに提案しました。
 今回提案したルールは、安全な⼩児⻭科治療中の事故防⽌及び予防に役⽴ち、また⻭科医師側の不安も軽減することが期待されます。
 本研究成果は⽇本⻭科⿇酔学会雑誌に2023年1⽉15⽇(⽇)に掲載されました。

用語解説

(※1)最⼤推奨⽤量(maximum recommended dose: MRD)
現在、⽣体における局所⿇酔薬の極量を改めて検討することは医療倫理上極めて難しい。そのため、数⼗年前の研究結果をもとにした最⼤推奨⽤量のガイドラインが伝統的に⽤いられている。しかし、それら存在する基準値は⼤きく異なり、また算出⽅法が⾮常に煩雑である。さらに、どのガイドラインを⽤いるかは、それぞれの国や教育機関(⼤学等)に委ねられている。

詳細

詳細は九州大学プレスリリースをご参照ください。

九州大学吹奏楽団 第58回定期演奏会

九州大学 Kyushu University里見 隆治経済産業大臣政務官が九州大学伊都キャンパスを視察

関連記事

  1. 遺伝子の転写の「伸長」場所は動きやすいことを発見…

    ~生きた細胞の核の中で遺伝子が転写される場所のリアルタイム可視化に成功~…

  2. 思い出を「選んで残す」メカニズムを解明

    -記憶の「安定化スイッチ」として働く意外な細胞-生体防御医学研究所増…

  3. [4/22開催]第229回アジア・オセアニア研究…

    菊池 良和 助教(九州大学病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科)九州大学アジア…

  4. 口腔特有の腫瘍・エナメル上皮腫の腫瘍形成機構を解…

    ~エナメル上皮腫の新たな診断や治療に期待~  エナメル上皮腫は歯原性…

  5. 遺伝子組換えを使わず、鉄を多く含むコメの開発に成…

    ~鉄欠乏性貧血対策につながる新しい育種技術~農学研究院熊丸 敏博 特…

  6. 学生のためだけの学生フォーラムではない! アジア…

    学生のためだけの学生フォーラムではない! アジアの端に位置する“日本とイスラ…

  7. 遺伝性疾患の原因となる変異を新たに約4,000個…

    ~希少疾患の診断率向上や創薬に期待~ポイント・遺伝性疾患にはまだ…

  8. 原発性サルコペニアと末期腎不全に関連する筋萎縮の…

    ~マルチオミクス解析による新たな知見~九州大学病院瀬戸山 大樹 助教…