妊婦の職業上の医療用物質の使用と出生児の乳児期の神経芽腫との関連

〜 子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)について 〜

 子どもの健康と環境に関する全国調査(以下、「エコチル調査」)は、平成22(2010)年度より全国で10万組の親子を対象として開始した、大規模かつ長期にわたる出生コホート調査です。母体血や臍帯血、母乳等の生体試料を採取保存・分析するとともに追跡調査を行い、子どもの健康に影響を与える環境要因を明らかにすることを目標としています。
 エコチル調査福岡ユニットセンター(九州大学小児科)准教授の古賀らの研究チームは、エコチル調査の約10万人のデータを使用して、乳児期の小児がんと両親が職業で取り扱った医療用物質との関連について解析し、妊婦の放射線の取り扱いと出生児の乳児期の神経芽腫の発症に関連がある可能性を示しました。なお、妊婦が放射線を取り扱った方法・時期・量や、がんの正確な分類などがわからない、神経芽腫を発症した児の症例数が少ないといった制約があり、更なる詳細な調査が必要です。
 この研究は、ばく露とアウトカムの関係性をみる、いわゆる観察研究と呼ばれるものであり、必ずしも因果関係を示すものではありません。しかし、この研究をきっかけとして、小児がんの原因についての研究が進むことを期待しています。
 本研究の成果は、令和3年7月9日付で、小児科分野の学術誌「Pediatric Research」に掲載されました。
 ※本研究の内容は、すべて著者の意見であり、環境省及び国立環境研究所の見解ではありません。

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「アジアにおける持続的農業・フードサプライシステムの現状と今後の展開」の開催(報告)

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