磁場強度の変化が引き起こすプラズマ乱流遷移メカニズムの解明

— 乱流構造形成と相互作用の新たな視点 —

応用力学研究所
文 贊鎬 准教授

ポイント

・核融合発電にはプラズマの安定制御が必要ですが、乱流がその制御を難しくしています。
・プラズマ中の「パフ」という渦の動きを解析し、磁場が強いと渦が増え、乱流が発展することを発見しました。
・この研究は、核融合プラズマの安定制御に貢献し、エネルギー効率の向上や持続可能なエネルギー社会の実現に向けた新たな可能性を開きます。

概要

ドイツにあるグライフスヴァルト大学のプラズマ物理研究チーム(Prof. Peterグループ)と九州大学の極限プラズマ研究連携センターの国際共同研究によって行われた本研究は、直線装置PANTA(※1)を用いて実施されました。本研究チームは、プラズマ内で発生する「パフ」と呼ばれる小さな渦の動きを詳細に解析し、その渦がどのようにして乱流へと発展するのかを解明しました。

研究の結果、磁場強度が強くなることで「パフ」の数が増加し、それらが相互干渉することにより乱流がより強く広がる現象が確認されました。特に、「パフ・ジャミング」という現象では、渦が狭い空間に圧縮されることにより、乱流が急速に発展することが観察されました。

この発見は、核融合プラズマの安定制御技術の向上に寄与し、エネルギー効率の向上や、持続可能なエネルギー社会の実現に向けた重要な一歩となります。

本研究の成果は、2025年4月8日に米国の科学誌 Physical Review E にも掲載され、注目を集めています。

研究者からひとこと

この研究は、九州大学応用力学研究所の国際共同研究の支援を受け、PANTA直線装置を使って進められました。本成果は国際共同研究の重要性を示しており、今後の発展が期待されます。

用語解説

(※1) PANTA (Plasma Assembly for Nonlinear Turbulence Analysis)
小型直線プラズマ乱流装置であり、ヘリコンソースを使用して長さ4.0 mの環状プラズマを約0.03Tから0.15Tの直線磁場で閉じ込めます。

詳細

本研究の詳細はこちらをご参照ください。

お問合せ先

応用力学研究所 文 贊鎬 准教授

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