弥生時代前期土器の拡散過程を定量的に検証

2ルート仮説を裏付ける結果

理学研究院
野下 浩司 助教

ポイント

・世界で初めて弥生時代前期土器の三次元データを大量に数理解析し、2つの拡散ルートの存在を裏付けました。
・土器以外の人工物にも適用できる本研究の定量的数理解析手法は、考古学に留まらず様々な応用が期待できる技術です。

概要

九州大学大学院理学研究院の野下浩司助教、名古屋大学大学院人文学研究科の中川朋美准教授、南山大学人文学部の中尾央教授らの研究チームは、弥生時代前期(紀元前500〜350年)に西日本を中心に製作された遠賀川(おんががわ)式と呼ばれる土器の三次元データを解析し、遠賀川式土器の伝播過程を明らかにしました。

これらの研究成果は2月19日、英国の学際的論文誌「Journal of the Royal Society Interface」のResearch Articleとして掲載されました。

本研究では、弥生時代前期の西日本で広く出土する大量の遠賀川式土器の形状を二次元および三次元的に読み取り、そのデータを数理的手法によって定量的に解析しました。大量の二次元および三次元の形状データに基づいた考古学における数理解析研究は世界初であり、今後の考古学研究や文化進化の研究を大きく変えていくだろうと考えられます。

さらに、こうした手法は土器などの考古遺物だけでなく、他の時代の様々な人工物の形状にも適用できます。二次元および三次元データの定量的な解析とそれに基づく人工物の伝播・拡散プロセスの研究が進んでいくと期待されます。

研究に関するお問合せ先

理学研究院 野下浩司 助教

詳細

本研究の詳細はこちらをご参照ください。

《2/26開催》第178回アジア・オセアニア研究教育機構(Q-AOS)Brown Bag Seminar Series「細胞の “骨” を自在に操る !?~分子から始める細胞ライクな材料の設計~」

《3/11開催》シンクタンクユニット×医療・健康ユニット連携シンポジウム 〜救急車利用の課題解決から「未来社会学」へ〜

関連記事

  1. 分子を「曲げる」ことで有機半導体の光耐久性を向上…

    ―光に強く高性能な次世代材料の開発に成功―理学研究院宮田 潔志 准教…

  2. 小惑星リュウグウ試料の希ガスおよび窒素同位体組成…

    〜リュウグウ揮発性物質の起源と表層物質進化〜概要国立研究開発法人…

  3. 「はやぶさ2」ミッションによる世界初の小惑星から…

    〜リュウグウからのたまて箱〜概要 国立研究開発法人宇宙航空研究開…

  4. 第93回アジア・オセアニア研究教育機構(Q-AO…

    工学研究院 航空宇宙工学部門 航行ダイナミクス 東野 伸一郎 教授…

  5. 《3/18開催》人社系協働研究・教育コモンズ 第…

    事象の因果に迫る3月18日に人社系協働研究・教育コモンズ(※)第32弾企…

  6. 血球細胞と周囲組織間の酸素輸送動態をシミュレーシ…

    物質輸送現象の解析を可能にする新しい数理基盤の構築工学研究院武石 直…

  7. 株式会社ニチリウ永瀬のプレスリリースに掲載されま…

    スマート農業で離農を防ぐ!九州大学大学院農学研究院は株式会社ニチリウ…

  8. “超”高放射性粒子:福島第一原発1号機から放出さ…

    “超”高放射性粒子:福島第一原発1号機から放出されたメガベクレル放射性粒子の…