置換基をもたないヘテロ[8]サーキュレンの合成と特異な発光挙動の解明

-ヒトタンパク質の生合成過程の解析や創薬への応用が期待-

理学研究院
恩田 健 教授

概要

 剛直な平面構造を有する多環芳香族炭化水素は、グラフェンをナノサイズに切り出した構造を有することからナノグラフェンとも呼ばれます。ナノグラフェンの構造と物性の相関を解明する研究が有機合成化学者により盛んに行われており、その中でヘテロ元素を組み込んだドープ型ナノグラフェンも多数報告されています。しかしそのほとんどは、有機溶媒中で凝集により溶けなくなってしまうことを避けるため、周囲にかさ高い置換基や長鎖アルキル基などを付与して溶解性を高める設計がなされています。
 京都大学大学院工学研究科分子工学専攻 田中隆行 准教授、関 修平 同教授、中川 蒼 同博士課程学生、松尾悠佑 同博士課程学生(研究当時)、佐藤 徹 同教授(兼:福井謙一記念研究センター教授)、大田 航 同特定助教らは、九州大学大学院理学研究院化学部門 恩田 健 教授、宮田潔志 同准教授、江原 巧 同博士課程学生との共同研究により、ヘテロ[8]サーキュレンと呼ばれるヘテロ元素ドープナノグラフェンにおいて、置換基をもたない化合物の合成と同定、その固体状態での分子間相互作用と光物性の解明をおこない、この分子の特異な発光挙動を明らかにしました。
 
 本研究成果は、2024年11月6日に英国の国際学術誌「Chemical Communications」にオンライン掲載されました。
本件の詳細はこちらをご参照ください。

お問い合わせ先

理学研究院 恩田 健 教授
理学研究院 宮田 潔志 准教授

【12/20開催】「未来を切り拓く科学の力」 ~吉野彰が語る、挑戦と好奇心の大切さ~

【12/10開催】九州大学EUセンター「ジャン・モネ・セミナー『外交青書に関する講義』」<学内限定>

関連記事

  1. AIを活用し化学反応の理解を自動化する仕組みを開…

    ―深層学習による反応機構の解明をより容易に―先導物質化学研究所森 俊…

  2. 光照射を用いた超高解像度な遺伝子解析技術の開発に…

     ~組織内に潜むがん細胞の病理診断などに応用可能~ ポイント・組…

  3. 小惑星リュウグウ試料の希ガスおよび窒素同位体組成…

    〜リュウグウ揮発性物質の起源と表層物質進化〜概要国立研究開発法人…

  4. 《10/20-10/27開催》玄界GPUミニキャ…

    GPUを使って自分の研究やプロジェクトを加速させたい方は、この機会にぜひご参…

  5. 《7/8開催》第18回九州工学教育協会シンポジウ…

    講師 梶原智之准教授(愛媛大学)、長沼祥太郎准教授(九州大学)202…

  6. 九州大学共創学部の学生が食料廃棄物から釣り餌をつ…

    ECYCLE PROJECT(エサイクルプロジェクト)昨今頻繁に取り…

  7. 【1/31開催】2024 I2CNER Annu…

    ~Hydrogen Embrittlement and Materials …

  8. 六⽅晶窒化ホウ素の⼤⾯積合成とグラフェン集積デバ…

    ~ ⼤きな絶縁性⼆次元材料で半導体産業の未来へ貢献 ~ポイント・…