洋上風力研究教育センター「NEDO先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム/エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」に採択

~大型風洞設備による浮体式風車ウエイク現象の評価技術の研究開発~

洋上風力研究教育センターのマルチスケール洋上風況研究部門に所属する、応用力学研究所 再生可能流体エネルギー研究センターの内田 孝紀准教授(研究代表者)および情報基盤研究開発センターの小野 謙二教授は、東芝エネルギーシステムズ株式会社、日立造船株式会社、日本精工株式会社とともに、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2023年度「NEDO先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム/エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」に採択されました。研究開発テーマ名は、「大型風洞設備による浮体式風車ウエイク現象の評価技術の研究開発」です。

一般的に風車のブレードの回転に伴い、下流側には風車ウエイクと呼ばれる風速欠損領域が形成されます。複数の風車群から構成される大規模洋上ウィンドファームでは、風車ウエイクが相互に干渉し、下流側風車群の発電量の低下や風車に作用する荷重の増大など直接的な影響を与えます。未だこれらの非線形流動現象を正確に記述する評価手法は確立されていない状況です。

日本政府が2050年のカーボンニュートラルの実現を掲げ、その中でも洋上風力発電が特に期待される中、国内で大規模洋上ウィンドファームを早期に、かつ適切に実現させるには、融資適格性評価や低コスト化に資する風車ウエイク現象の高精度予測を含む日本独自の革新的な最適設計手法の確立が最重要課題です。

本研究では、九州大学応用力学研究所の大型風洞設備を用い、浮体式風車特有のウエイク現象とその相互干渉現象の正確な理解、それらの予測評価技術開発の実施を産学連携で取り組み、将来的に必要な技術開発方針の提案を目指します。大型風洞設備を基礎とした浮体式風車ウエイクの評価手法は世界的にもほとんど例がなく、本研究は大規模浮体式洋上風力ウィンドファームの技術的課題を順次解決し、その導入拡大に多大な貢献を果たすことが期待されます。

また、沿岸域の大型商用風車を活用し、最新のリモートセンシング技術による気流計測と連携した状態監視技術による風車ウエイク影響評価も実施します。さらに、風洞実験、野外計測、数値流体シミュレーションから生じる膨大な結果にデータ駆動科学の手法を適用し、浮体式風車ウエイクの工学数式モデルの開発(数式発見手法)も実施予定です。

※NEDOの公募の詳細についてはこちらをご覧ください。

九州大学は産学連携スキームで地球温暖化防止へ貢献していきます。

お問合せ先

洋上風力研究教育センター
電話:092-583-7864
FAX:092-573-8729
Mail:info★recow.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。

プレスリリースはこちらからご確認いただけます。
九州大学ホームページもあわせてご参照ください。

未来共創セミナー「ウクライナ復興の支援に向けて~時代のニーズに即したEBRDのこれまでの取組みを踏まえて~」(6/21開催)

量子技術の教材データベースをNIIが中心となってオープン提供

関連記事

  1. ⻘⾊LED を⾼エネルギーなUVB 光へと変換す…

    ~ サステイナブルな光エネルギー変換、殺菌、排⽔処理へ道~ポイント…

  2. 《11/5開催》【特別回】第210回アジア・オセ…

    李 正鎬 参事官(駐日本国大韓民国大使館)九州大学アジア・オセアニア…

  3. NEDOが公募するフロンティア育成事業の委託先に…

    九州地域の天然水素資源の実用化に向けた研究開発を開始国立大学法人九州大学…

  4. 大気汚染による早期死亡の緩和可能性を探る新たなア…

    ~ 経済学×数理科学×大気化学×疫学を統合 環境効率性の改善がカギ ~ …

  5. 電気を一瞬流すだけで金属が強くしなやかに

    ~数ミリ秒でチタン合金の限界を超える新加工法~工学研究院木村 康裕 …

  6. 「電気自動車の国際動向と カーボンニュートラルに…

    エネルギー研究教育機構教授 吉田 謙太郎九州大学アジア・オセアニ…

  7. 生物が加工する透明ガラス流路

    植物根や菌糸によるガラス内への3次元微細複雑構造の生成工学研究院津守…

  8. 酸性で駆動する超疎水性二酸化炭素還元電極

    ~二酸化炭素の効率的資源化~ポイント・二酸化炭素(CO₂)電…