グローバルサプライチェーンの再構築がCO₂排出削減の鍵!

グローバルサプライチェーンの再構築がCO₂排出削減の鍵

 COVID-19パンデミックの影響を受け、グローバルサプライチェーン(※1)の再構築が進む中、各国各産業は低炭素型のグリーンサプライチェーンを再構築していく必要があります。九州大学大学院経済学府博士後期課程1年の前野啓太郎大学院生(脱炭素エネルギー先導人材育成フェロー)、同大学院経済学研究院の加河茂美主幹教授および山形大学学術研究院(人文社会科学部主担当)の時任翔平講師の研究グループは、CO2排出ホットスポット(※2)を中心としたグローバルサプライチェーンの再構築が、カーボンフットプリント(※3)に与える影響を明らかにしました。
 本研究は、4つの産業連関分析手法を統合することで、「脱CO2排出ホットスポットシナリオ」に基づくサプライチェーンの再構築が、カーボンフットプリントに与える影響を分析する新しい研究フレームワークを開発しました。さらに、日本の自動車部門を対象としたケーススタディの結果から、当該サプライチェーンの再構築には、自動車のカーボンフットプリントを約6.5%削減するポテンシャルがあることを明らかにしました。また本研究は、再構築によるCO2排出変化について構造分解分析を行い、純CO2排出削減に最も貢献する部門(つまり、日本の自動車部門が優先的に再構築を進めるべき部門)を特定しました。
 本研究の結果は、サプライチェーンの上流部分、つまり「サプライヤーのサプライヤー」に至るまでの詳細なCO2排出管理の重要性を示すと同時に、より低炭素型の構造を持つサプライチェーンの再構築に向けた当該産業のCO2排出削減策・貿易政策を示唆しています。
 本研究は、九州大学 脱炭素エネルギー先導人材育成フェローシップ及び日本学術振興会 科学研究費助成事業(JP20H00081)の支援を受けました。また、本研究成果は、12月16日(英国時間)にEnergy Economics誌(2020 Impact Factor: 7.042)に公開されました。

用語解説

(※1) サプライチェーン:
完成品を生産するために直接間接的に必要となる原材料・部品等の供給網
(※2) CO2排出ホットスポット:
ある産業のサプライチェーンネットワークにおけるCO2排出集約的な産業群
(※3) カーボンフットプリント:
当該製品(例えば、自動車)の生産によって波及する、資源採掘、素材・部品生産、輸送などの各生産段階から排出される各国各産業のCO2排出量
(※4) グローバルサプライチェーン:
グローバルサプライチェーンとは、サプライチェーンの仕組みを国内にとどまらず、海外にある生産拠点も選択肢に入れて実施すること

詳細

詳細については、プレスリリースをご参照ください。

『2021アジアデジタルアート大賞展FUKUOKA』受賞者発表

治療抵抗性うつ病の症状を改善させる新しい治療法「rTMS」で脳活動が変化する様子を解明!

関連記事

  1. 植物が見ている空の色は毎日変化する

    〜1日の色彩を分類して日射スペクトルを決めている要因をモデル化〜農学研究…

  2. 室温程度の環境熱を活用した新機構有機熱電デバイス…

    有機エレクトロニクスが切り拓くクリーンエネルギー発電工学研究院安達 …

  3. カーボンクレジット市場におけるCO₂削減技術の優…

    ~ 世界7185件のプロジェクトを対象としたデータ解析で有用性を実証 ~…

  4. 海洋プラスチック汚染の進行を防ぐ流出プラスチック…

    応用力学研究所磯辺 篤彦 教授大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの実現…

  5. マルチモーダル解析で酸素発生反応(OER)の鍵を…

    〜 水電解によるグリーン水素社会実現へ新たな一歩 〜総合理工学研究院…

  6. 「九州大学学術研究都市」セミナーin東京2021…

    「九州大学学術研究都市」セミナーin東京2021本セミナーは、世界的…

  7. 色素集合材料を用いた光捕集電子スピン超偏極

    ――量子応用に向けた超偏極電子スピン材料の設計指針を提案――理学研究院…

  8. 大気中の二酸化炭素を大量回収可能にする革新的低エ…

    東京都立大学、株式会社大気社、株式会社パンタレイ、長岡技術科学大学、小島プレ…