おいしい・種子が少ない・露地栽培も可能!新しいブンタン3品種の育成に成功

九大のカンキツ研究の歴史が果樹産業の課題解決に貢献する

長年の研究により、九州大学大学院農学研究院の研究グループが新しいブンタン3品種の育成に成功し、2023年12月25日付で「寿刀白柚(じゅとうぺいゆ)」、「長三白柚(ちょうさんぺいゆ)」および「俊平白柚(しゅんぺいぺいゆ)」が農林水産省に品種登録されました(登録番号:第29970号、第29971号、第29972号、品種登録者:国立大学法人九州大学)。

3品種に共通する特長は、①種子が小さく、少ないこと、②グレープフルーツタイプの味で、香りや食感に個性があること、③早生で、甘みが強いこと、および ④露地栽培しやすいことであり、3品種は消費者にも生産者にも嬉しい品種といえます。現在、高品質果実生産のための栽培管理に関する研究、および果実の流通、加工および利用に関する研究を行っています。2024年4月から現地試験栽培を開始し、2030年の栽培実用化を目指しています。

研究者(酒井准教授)からひとこと

これまでも、農学研究院の研究グループは、果樹の遺伝・育種的な研究を進める中で、消費者にも生産者にもメリットがある優れた遺伝的性質をもつ個体を見出してきました。研究グループが育成したブドウ「BKシードレス」(2011年農林水産省に品種登録)は、省力的に高品質果実を生産できることから、日本各地に栽培が広がっています(2011年9月13日、2013年9月6日、2014年9月18日プレスリリース参照)。新たに品種登録されたブンタン3品種も日本各地で栽培され、果樹産業の課題解決の一翼を担うことが期待されます。

用語解説

ブンタン
「ザボン」、「ボンタン」とも呼ばれる世界最大のカンキツ。グレープフルーツ、ナツミカン、ハッサクはブンタンの雑種と推定されている。「晩白柚」などの品種が有名。
品種登録
種苗法に基づく品種登録制度により、植物新品種の育成者の権利を保護する。
農林水産省に品種登録出願し、審査を経て、品種登録される。育成者権の存続期間は木本性植物では30 年。

主要な育成者および品種名の由来になった九州大学の研究者

• 主要な育成者
若菜 章 博士
1980〜2020年代に附属農場および園芸学研究室に在職
果樹の遺伝育種および栽培技術に関する研究に従事
九州大学育成ブドウ品種「BKシードレス」の主要な育成者

•‘寿刀白柚’ の名前の由来
伊藤 寿刀 博士
1920〜1950年代に園芸学研究室に在職および農場長に在任
果樹の遺伝育種に関する研究に従事

•‘長三白柚’ の名前の由来
田中 長三郎 博士
1920〜30年代に園芸学研究室に在職
カンキツの分類に関する研究に従事
カンキツの二大分類体系の一つを構築

•‘俊平白柚’ の名前の由来
上本 俊平 博士
1950〜80年代に園芸学研究室に在職および農場長に在任
園芸植物の遺伝育種、生理および生態に関する研究に従事

お問い合わせ

大学院農学研究院 酒井 かおり 准教授
電話:092-802-4539
Mail:sakai.kaori.198★m.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。

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