大鵬薬品と九州大学 共有結合型薬剤の利点に着目し新規反応基開発を目指した共同研究を開始

~大鵬薬品と九州大学 共同研究を開始しました~

 
 大鵬薬品工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林 将之、以下「大鵬薬品」)と国立大学法人九州大学(所在:福岡県福岡市、総長:石橋 達朗、以下「九州大学」)は、標的タンパク質との共有結合型薬剤創製のための新規反応基を開発することを目的とした共同研究を開始したことをお知らせします。
 共有結合型薬剤はその作用メカニズムにより、従来の可逆的薬剤と比較して、薬効の増強および作用時間の延長などが期待できます。大鵬薬品では、標的となるタンパク質に存在する特定のアミノ酸(システイン)と共有結合する薬剤の創製を目的とした、システイノミクス創薬(共有結合型薬剤創製技術)を推進してきました。この技術によって複数の自社パイプラインの創製につながっており、2022年にはFGFR阻害剤の承認を米国で取得しています。一方、九州大学では、共有結合型薬剤の利点に早くから着目し、独自の新規反応基の開発に取り組んできました。これまでに、これらの反応基を用いた、がん治療薬や感染症治療薬の開発を行い、強い薬効と優れた標的選択性を併せ持つ複数の共有結合型阻害剤を見いだすことに成功しています。
 大鵬薬品と九州大学は、両者が得意とする創薬技術を融合させ、特定のアミノ酸に対する新規反応基の開発に関する共同研究契約を2023年3月に締結しました。この共同研究により、標的タンパク質の拡張や新しい共有結合型薬剤の提供につながることが期待されます。

 大鵬薬品の取締役 開発・MA 部門管掌、研究部門担当の相良 武は、「九州大学との共同研究を通してシステイノミクス創薬を拡張することで、これまで創薬が困難とされていた疾患に対する薬剤を創出することが可能になると考えています。私たちは、引き続きシステイノミクス創薬を推進し、アンメット・メディカル・ニーズの高い領域に新薬を届けられるよう尽力してまいります。」と述べています。

 九州大学大学院薬学研究院の王子田 彰夫教授は「大鵬薬品との共同研究により我々が行っている共有結合型薬剤の創薬化学研究をさらに発展させることが可能になると考えています。大学研究人の持つ発想力を生かし、大鵬薬品との協働を通じて、優れた医薬品の創出に貢献できるよう努力していきます。」と述べています。

【システイノミクス創薬について】
システイノミクス創薬は、システインを有する多様な標的タンパク質に対して共有結合型薬剤※を連続的に生み出すための大鵬薬品独自の創薬技術です。システイノミクス創薬基盤は、標的タンパク質データベース、共有結合型化合物ライブラリー、各種化合物評価システムなどから構成され、これまでに複数のパイプラインを創製した実績があります。

用語解説

※共有結合型薬剤とは:標的タンパク質と共有結合を形成してその機能を不可逆的に制御する医薬品。タンパク質のポケットに結合する部分 (リガンド) と特定のアミノ酸に共有結合する部分(反応基)から構成されている。

詳細はニュースリリースからご確認いただけます。
九州大学ホームページもあわせてご参照ください。

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