耳標に貼り付けたセンサから牛をセンシングする技術を開発

耳標に貼り付けたセンサから牛をセンシングする技術を開発

 九州大学農学部生物資源環境学科の山野晴樹学部生、同大学院農学研究院の髙橋秀之准教授らは、同大学システム情報科学研究院の金谷晴一教授、アルセンス(株)滝口収代表取締役と共同研究を実施し、耳標から牛の体温や位置情報をセンシングするためのセンサを開発しました。
 現在の肉牛生産現場では、大規模化・省力化に向けてICT(情報通信技術)を活用した牛のセンシング技術が多く導入され、牛の疾病や発情、分娩兆候を検知しています。しかし牛の状態を常に計測してデータを送信するセンサは電力を消費するため、取り付けやバッテリー交換を行う上で牛を定期的に捕獲しなければなりません。飼養頭数が増えるほどこの負担は大きくなるため、センシングを行う上で大きな課題となっていました。
 髙橋准教授は国内で牛への装着が義務付けられている耳標にセンサを貼り付けることで牛の体温と位置情報を検知することができないか仮説を立て、金谷教授と滝口代表取締役がそれを実現するセンサを開発しました。牛の耳標は生涯装着されるので、センサ取り付けのために牛を捕獲する手間を省くことが可能となります。さらに太陽光・無線での給電システムを導入し、バッテリー交換なしで半永久的に牛の疾病や発情、分娩兆候を検知することが可能となります。耳標は国内だけでなく海外でも牛への装着が厳格化されているため、海外展開も容易です。現在山野学部生を中心にデータを取得中で、データから牛の体温や位置情報を捉えることが明らかとなりました。今後は頭数を増やして精度を上げていきたいと考えています。本技術は2018年8月11日付で特許出願されました(特願2018-152145)。
 本研究の一部は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/フィジカル空間デジタルデータ処理基盤(JPNP18014)」の助成による中間成果物の一部です。

詳細

九州大学プレスリリースをご参照ください。

線香の煙を吸入すると喘息が悪化する?

九大会員特典のお知らせ「博多座『魔界転生』」

関連記事

  1. 太陽圏の果てで宇宙線はどのように作られるのか

    総合理工学研究院松清 修一 教授スーパーコンピュータ「富岳」による世…

  2. ネットワークの三⾓構造が担う情報伝達の役割を解明…

    ~ 数理モデルから⽣物の情報処理メカニズムに迫る ~ポイント・⽣…

  3. 宇宙最初の星は「ひとりっ子」で誕生する

    ~高精度磁気流体シミュレーションが切り開いたファーストスター形成の新展開~…

  4. 【7/24開催】第150回アジア・オセアニア研究…

    フイシン リュウ 教授(理学研究院 地球惑星科学部門)九州大学アジ…

  5. ALMA望遠鏡による超高速回転原始星ジェットの検…

     ALMA望遠鏡による超高速回転原始星ジェットの検出   星の誕生時…

  6. 小惑星ベヌーにアミノ酸など多くの生体関連分子が存…

    ~DNA/RNAに必須の5種類の核酸塩基も全て検出~理学研究院奈良岡…

  7. 次世代形状記憶合金の相変態機構を解明

    ~形状回復とエネルギー吸収性能を活かした応用に期待~ 総合理工学研究院…

  8. カンボジアで水田メタン排出削減プロジェクトが始動…

    アジアモンスーン地域への展開、国際ルールメイキングに挑む九州大学は、農研…