核融合炉に重要なプラズマ内部の電位変化を高精度計測

-高効率加速器×非接触計測で実現-

応用力学研究所
井戸 毅 教授

概要

核融合発電の実現を目指し、自然科学研究機構 核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)※1では磁場で高温のプラズマを閉じ込める研究を行っています。核融合科学研究所、東京大学、九州大学、Brookhaven National Laboratoryの共同研究グループは、LHDの高温プラズマ中の電位変化をこれまでにない高精度で計測することに成功しました。この成果により、プラズマ中の閉じ込め状態をその場で評価できる新しい手法が確立され、将来の核融合炉の運転制御や発電に向けた性能向上に寄与する重要な基盤が得られました。

プラズマ内部の電位は、エネルギーが外に逃げにくい状態(閉じ込め性能)を決める重要な指標です。本成果は最新の加速器技術とプラズマ計測法を組み合わせることで得られたものであり、核融合炉プラズマの理解の深化に貢献するものです。

この研究成果をまとめた論文がNuclear Fusionに10月13日に掲載されました。

用語解説

※1 大型ヘリカル装置(LHD)
岐阜県土岐市の核融合科学研究所にある世界最大級のヘリカル型超伝導プラズマ実験装置。

論文情報

雑誌名:Nuclear Fusion
題名:Enhanced beam transport via space charge mitigation in a multistage accelerator for fusion plasma diagnostics
著者名:M. Nishiura*, K. Nakamura, K. Ueda, A. Shimizu, H. Takubo, M. Kanda, T. Ido and M. Okamura
DOI:10.1088/1741-4326/ae0da1

詳細

本件の詳細はこちら

お問い合わせ先

応用力学研究所 井戸 毅 教授

《11/19開催》第212回アジア・オセアニア研究教育機構(Q-AOS)Brown Bag Seminar Series「木もみて森もみる、人もみる -熱帯林の保全に向けた学際的なマルチスケール研究-」

工学研究院の安達千波矢主幹教授・馬奈木俊介主幹教授が「Highly Cited Researchers 2025」に選出!

関連記事

  1. SDGs Design Internationa…

    結果発表SDGs Design International Awar…

  2. 圧力で光励起状態分子の分裂を操る!柔らかな分子で…

    ~静水圧によって一重項分裂を自在に制御するソフトマテリアルの新設計指針を提案…

  3. アンモニアを温和な条件で合成する高活性な新触媒を…

    炭素フレームにコバルトと助触媒を理想的な状態で内包・安定化工学研究院…

  4. 高分子鎖の新しい吸着機構を発見

    〜接着剤で自動車を組み立て、カーボンニュートラルの実現へ!〜ポイント…

  5. ナノ触媒の可能性を解き放つ

    ~簡単な超音波処理が水浄化を変える~工学研究院金子 賢治 教授…

  6. 【12/10開催】未来の科学者へ!カーボンニュー…

    ~ 脱炭素の授業と実験で学ぶ科学のチカラ ~この冬、九州大学、福岡教育…

  7. 《8/29開催》九大発イノベーション・トーク(九…

    ぜひこの機会に九州大学の今と未来をご体感くださいこのイベントでは、九…

  8. 「世界環境の日」ホスト国のSDGs「新国富(IW…

    「新国富指標」1972年6月5日からストックホルムで開催された「国連…