令和3年度「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」の採用について
新型コロナウイルスパンデミックを経て、現在世界では超清潔社会へシフトしています。
免疫自体は6歳までに多彩な細菌叢を含む外来物質に曝露されることがその正常なバランスの形成に重要ですが、現在の流れの中、それらが著しく制限されている現在の乳幼児が成長する 10~20 年後以降、アレルギーや自己免疫疾患を始めとする難治性疾患が爆発的に増加することが予想されています。これらの疾患は長期慢性炎症の結果発症するものが多く、発症後では治療は困難か不可能なものであり、発症前の未病状態での処置が重要であるものの、発症前を対象にした創薬は不可能です。そのため、全く新しい技術体系の創成が求められています。
九州大学では、参画機関とともに「免疫を標的とするヘルステックイノベーションエコシステム実現拠点」 を形成し、科学技術振興機構(JST)「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」(※1)に採択されました。
本拠点では他分野の研究者や企業が一体となって、医療ビッグデータを始めとする種々のビッグデータの解析から対象疾患発症に関わる因子や免疫の乱れに関連する因子を探索する手法の確立を目指しています。それを基に免疫の乱れを早期に検知する技術、検知された乱れを修正する免疫寛容誘導技術を開発して、世界規模の健康社会の実現と新規産業の確立を SDGs に基づく未来のありたい社会像として掲げています。また、企業との共創による価値創出が各論に落ち込まず、自走型に持続的に価値を創出できる新しい DX 型研究法にもとづく共創の場を形成して、ヘルステックイノベーションを高効率に生み出せるシステムの構築を目指してまいります。
(※1)大学等を中核とする産学連携を基軸に自治体、市民など多様なステークホルダーを巻き込んだ産学共創により、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に基づく未来のあるべき社会像(拠点ビジョン)を策定し、「拠点ビジョン実現のためのバックキャスト型研究開発」とそれを支える「持続的な運営が可能な産学共創システムの構築」をパッケージで推進していくもの。
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