「自分のモノ」という感覚の形成メカニズム

■ 我動かす、ゆえに我所有する ■

基幹教育院
山田 祐樹 准教授

ポイント

・モノへの所有感は、そのモノをコントロールしている感覚に大きく依存
・特に自分の思い通りにコントロールしていることが重要
・マーケティングやインターフェイス・デザイン設計への応用に期待

概要

関西大学総合情報学部の佐々木恭志郎准教授、早稲田大学理工学術院の渡邊克巳教授、九州大学基幹教育院の山田祐樹准教授の研究グループは、人が「モノを所有する感覚」の形成メカニズムの一端を明らかにしました。研究グループは、あるモノをコントロールしている感覚がそのモノへの所有感の生起に関わることを明らかにしました。

私たちは多くのモノに囲まれて生活をしていますが、その中でも自分の所有物については独特な感情を抱いているかと思います。これらに対して、私たちは当然のように「自分のものだ!」と感じていると思うのですが、この感覚 (所有感) が生まれる仕組みの多くは謎に包まれていました。そこで、本研究ではモノへの所有感とモノをコントロールしている感覚の関連性について直接的に検証をする研究を行うことにしました。

9つの実験を通じ、モノを所有している感覚は、そのモノを自分の思い通りにコントロールできることに大きく依存することが判明しました。

自分の所有物は身近なものですが、所有物をいわば「所有物たらしめる感覚」である所有感が生まれる過程はほとんどわかっていませんでした。本研究は、モノへの所有感の生起に「モノをコントロールする感覚」が関与していることを実証し、モノの所有感の仕組みの一端を明らかにしている点で基礎科学的な意義があります。また本研究は、あるモノに対して容易に所有感を付与できることを示しています。この知見を応用することで、所有感を意図的に強化するためのデザインやインターフェイスの開発に利用できる可能性があります。加えて、心理的な所有感が消費行動に関与していることを考慮すると、マーケティングなどへの応用も期待できます。

本研究成果は、2025年1月10日、米国心理学会が発行する『Journal of Experimental Psychology: Human Perception and Performance』に掲載されました。

詳細

本研究の詳細はこちらをご参照ください。

お問い合わせ先

基幹教育院 山田祐樹 准教授

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