脂質ナノ粒子のサイズ・流動性・かたさをつくり分け

~細胞の粒子取り込みにおける物理特性の嗜好性が明らかに~

概要

 国立大学法人東京農工大学大学院工学研究院先端機械システム工学部門の木村笑講師、公益財団法人がん研究会がん研究所細胞老化研究部の田中陽子博士、国立大学法人九州大学大学院工学研究院機械工学部門の山西陽子教授、公益財団法人がん研究会がん研究所細胞老化研究部の高橋暁子部長、国立大学法人九州大学大学院工学研究院機械工学部門の佐久間臣耶准教授のグループは、マイクロ流体チップ(注1)を用いて、細胞外小胞(注2)と類似した脂質ナノ粒子(注3)を、サイズ・流動性・かたさ、といった物理特性を制御して作り分ける手法を構築し、脂質ナノ粒子の物理特性が、臓器選択的な粒子輸送と、臓器に存在するマクロファージ(注4)の1細胞ごとの粒子取り込み量へ影響を与えることを見出しました。本研究成果は、新たなナノ医薬品設計への貢献や、細胞外小胞が介在する複雑な生物学的機能の解明につながり得る基礎的知見の創出において貢献すると期待されます。
 本研究成果は、American Chemical Society が発行するACS Nano(1 月2 日付)に掲載されました。

用語解説

注1)マイクロ流体チップ
微量な溶液や生体試料の混合、反応、分離、精製、検出などさまざまな操作をマイクロメートルスケ
ールの微小空間で行うことができるような、半導体製造技術を用いて作製したデバイスのこと。
注2)細胞外小胞
細胞が分泌する脂質を主成分とした微粒子のこと。
注3)脂質ナノ粒子
脂質を主成分とするナノメートルスケールの粒子のこと。
注4)マクロファージ
全身に広く存在する免疫細胞の1種

詳細

詳細はニューリリースをご参照ください。

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