学生 - インタビュー

九大インターンシップ インタビュー

九大インターンシップ

九州大学の共創学部や工学部の学生からなる「九州大学コンポストプロジェクト(QCOM)」はコンポスト(生ごみの堆肥化)を通じて「循環社会の実現」と「地域コミュニティの活性化」を目指し、2020年に設立された学生団体です。伊都キャンパス内の学生寮におけるコンポスト運営にとどまらず、糸島市を中心とした自治体や企業等と協働でワークショップを実施するなどコンポストにかかるノウハウの提供を通じたコミュニティの形成など活動の幅を広げているQCOMのメンバーに具体的な活動の内容や今後の展望についてインタビューをしました。

名前:山田和彦
所属・学年:共創学部・1年(2022年9月現在)

1.九大インターンシップを受講しようと思った理由を聞かせてください。

大学生の夏休みは2ヶ月と非常に長いため、夏休みを利用して、普段はできない経験をしたいと考えていました。

その際に、本学の授業の一環として開講されている九大インターンシップを見つけ、平生はほとんど関わることのない大学の事務について知ることができる良い機会だと思って参加を申し込みました。

2.企画部社会共創課でのインターンシップの活動内容はどのようなものでしたか?

大きく分けて2つの活動を行いました。

1つは、社会共創課における業務内容の説明です。共創企画係からは、「未来社会デザイン統括本部」や「データ駆動イノベーション推進本部」などの今後の大学構想の軸となる組織について学びました。また、連携推進係より、九州大学の「社会共創」に向けた取組について説明していただきました。

2つ目は本学学生によるSDGsに関連した活動の調査です。今や世界的に重視されているSDGsについて、本学の学生が主体となって行なっている活動について調査しました。最終日には、企画部の職員の方々に向けて調査内容のプレゼンを行いました。

3.これまでの生活でSDGsを意識することがありましたか?

正直に申し上げると、あまりありませんでした。その理由について考えてみると、SDGsというとどことなく壮大で、1人の人間がどうこうできるようなものではないと、無意識に感じていたからだと思います。しかし、学生活動の調査を進めるにつれ、SDGsの最終的なゴールは確かに壮大かも知れませんが、その実践は、普段の生活のちょっとした意識の変化から生まれるものであるということを知りました。私の生活にもSDGsと関わる場面があることを認識したため、今後、小さなことかも知れませんが、意識的にSDGs達成に向けた行動をしていきたいと思います。

4.インターンシップを通じて九大のSDGsに対する印象はどのようなものになりましたか?

SDGsに関する取組は2つのパターンがあると思っています。

1つは意図的にSDGs達成を目指す「意識的取組」。もう1つは、当人は意識していなくても、第三者から見た時にSDGsに貢献しているといえる「無意識的取組」です。

九州大学ではこのうち「無意識的取組」の割合が高く、私が調査した学生活動も含めて、まだまだ知られていない活動が多いという印象を受けました。反対にSDGsへの取組で有名な北海道大学や京都大学は、「意識的取組」の割合が高いと感じます。九州大学のプレゼンスをより高いものにしていくためには、SDGsの取組を行うだけではなく「発信」していかなければなりません。そのため、今後の九州大学は、①無意識的取組の発見と②意識的取組の創造の2つを行なっていく必要があるのではないでしょうか。

5.最後に九大インターンシップを通じて得た学びや発見について教えてください。

2週間のインターンシップでは、人事部と企画部でそれぞれ1週間ずつ実習をさせていただきました。総じて最も大きな学びは、大学という組織は「教員(研究者)」、「学生」、「事務職員」という3者によって成り立っているということです。インターンシップに参加する前は、私は、我々学生が大学の主役であるかのように考えていたように思います。しかしながら、実習を行う中で、先に述べた3つの主役が存在し、その3者が互いに支え合って大学を形成しているということを認識いたしました。この気づきによって、「学生」として大学において果たすべき役割が明確となり、広い視点で自己を捉えることができるようになったと感じています。また、学生の見えないところで大学を支えてくださっている事務職員の方々に感謝する機会となりました。
ぜひ今後多くの九大生に受講してほしいと思います。