教育 - SDGsに特化した分野横断的なプログラム

共創学部における授業

九州大学が2018年4月に新たに設置した共創学部は、SDGsを始めとした複雑化・多様化するグローバル社会における様々な地球規模の社会問題に対して、多様な人々との協働から異なる観点や学問的な知見の融合を図り、共に構想し、連携して新たなものを創造する「共創」をコンセプトとして、新たなイノベーションの創出を担う人材の育成に取り組んでいます。

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共創学部の2年次から3年次を対象とした必須科目に、知識や技能、考え方、背景の異なる様々な人々と協働して、課題を検討、将来的な解決を筋道を考える思考法や態度、スキルを身に着けることを目的としたグループで取り組む「協働科目」が設定されています。
「協働科目」には「共創基礎プロジェクト」「共創プロジェクト」があり、学生は授業を通してSDGs関連など様々なテーマに取り組むことで社会問題に対する学術的アプローチを学びます。
以下は2023年度のテーマの一例です。

<共創基礎プロジェクト>
■減災とレジリエントな社会11
データサイエンスと実践的思考を組み合わせ、地震や豪雨などの自然災害に備えたアクションプランを構築する。
■水・食の課題から SDGs を考える
コミュニケーション、生物学、環境科学、経済の観点など多角度から食料問題と水問題を考える。
■日本における多言語・多文化共生教育17
日本における多言語多文化共生社会の構築や外国人留学生受け入れにかかる現状と問題について考える。
■知能世界の設計―人工知能の視点から―
人工知能技術によって人の活動を拡張した「知能世界」を創り出すことについて考える。

<共創プロジェクト>
■共創の場でのコミュニケーション17
共創的課題解決の場でのコミュニケーションに関連して生じうる問題と対処法について考える。
■食料生産を考える~気鋭のなすび農家になってみよう~15
なすび農家の観点から食料生産の現場の課題について考える。
■自然共生社会の構築を目指した「森づくり・森林活用事業計画」の作成:福岡を事例として15
「福岡市農林業総合計画」を参考に、フォアキャスティング・バックキャスティングの手法で将来像を考え、「理想の将来像」の実現に資する事業計画(シナリオ)を作成する。
■メンタル・ヘルスの科学的探求と対策
メンタルヘルスに関連する疾患や発達障害など精神疾患の病態と病理を理解し、精神の健康の観点から地域生活や学校、職場などにおいて、当事者や周りの人達がどのような関係性が望ましいのか考える。
■ディベート:言語と政治17
21 世紀の国際社会が直面する複雑で論争的な問題を探求し、建設的な対話とディベートを行う。
■公共のものをいかに管理するか11
公園や森林から地球規模の環境問題に関わる公共のものをいかに管理したらよいのかを考える。
■メンタル・ヘルスの経験を質的研究する
「人はメンタル・ヘルスの困難をどのように経験し、その経験がどのように解釈するか」という問いに「質的研究法」から挑む。
■1920-30 年代の日本社会16
各国同様、社会経済政治、いずれをとっても激変の時代であった1920―30 年代の日本における社会問題について学ぶ。
■ビッグデータと数理モデリングの社会課題への応用
"Big Data"や"Mathematical Model"を活用し、社会の課題解決やニーズに適合したサービスやシステムのデザインを行う。
■水のガバナンス
政策、ステークホルダー、合意形成の観点から、「水」をめぐるガバナンスを考察する。
■経済・格差・政策について10
経済成長や所得格差,そして環境問題など様々な問題に対して経済,格差,政策の 3 つの要素から考える。
■グローバル化のもたらす問題点をいかに改善するか101617
グローバル化がもたらした国内の経済的格差の拡大、民主主義の機能不全、国民の連帯意識の解体や分断などに対する解決策の模索を試みる。
■データで分析する開発途上国10
世界銀行や各国政府統計局、研究機関などが無料で公開しているデータを加工・分析する手法を身に付け、選択した開発途上国についてグループごとに学習・研究する。