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九州大学コンポストプロジェクト インタビュー

九州大学の共創学部や工学部の学生からなる「九州大学コンポストプロジェクト(QCOM)」はコンポスト(生ごみの堆肥化)を通じて「循環社会の実現」と「地域コミュニティの活性化」を目指し、2020年に設立された学生団体です。伊都キャンパス内の学生寮におけるコンポスト運営にとどまらず、糸島市を中心とした自治体や企業等と協働でワークショップを実施するなどコンポストにかかるノウハウの提供を通じたコミュニティの形成など活動の幅を広げているQCOMのメンバーに具体的な活動の内容や今後の展望についてインタビューをしました。



← 左から共創学部 1年 髙木琴江さん、工学部 1年 髙田陽平さん、共創学部 2年 谷口智哉さん、共創学部 2年 大津泰人さん、共創学部 2年 ラザフォード ライアン ノボルさん、共創学部 4年 野村紗里さん

1.QCOMの設立の経緯について教えてください。

大学入学を機に一人暮らしをする中で、自炊することに伴う、生ゴミの処理について課題を感じることが多くなったのがきっかけです。一人暮らしの場合はゴミ捨ての日に毎回ごみを出す必要はありませんが、生ごみをゴミ袋に入れたままにしている期間が長くなり、衛生的な問題を感じる中で、これを堆肥化して資源化することで個人が環境問題への解決に携わることができるのではないかと思い、共創学部学生企画助成金(KAPPA)に申請しました。
伊都キャンパスの学生寮(ドミトリー2とドミトリー3)に生ゴミ回収BOXを設置し、学生寮に居住している学生から得られた生ごみをキャンパス内で堆肥化しています。

2.KAPPAからの助成金で始まった事業とのことですが、2年ほど経過した現在の運営体制はどのようになっていますか?

共創学部生や工学部生、農学部生から成る合計15名の学生で活動しています。メンバー内で細かい役割を固定することはあえてせず、代表、副代表および広報のみ担当者を固定し、シチュエーションによってメンバーそれぞれのパーソナリティや強みを生かしたフレキシブルな運営体制をとっています。

3.この約2年間の活動を通じて、学内外で本プロジェクトの浸透、普及の効果を感じることはありますか?

最初に比べて回収している生ごみの量は増えているのは事実ですがQCOMで堆肥化できるキャパシティの問題もあり、思うように学内に浸透させることにジレンマを感じることもあります。しかし、QCOMホームページやSNS等での活動を広報していく中で、糸島地域内外の機関や団体などの学外からの問い合わせが増えており、外からリーチアウトしていただけることが嬉しく思っています。

4.実際にキャンパス内での資源循環を追求すること(=環境問題へのアプローチ)と、そのノウハウをキャンパス内外に伝えることを通じたネットワークの構築(=社会問題へのアプローチ)という2面性を持っていますが、将来の展望を教えてください。

最終的には、近所で生ごみを堆肥化できるような小規模な循環サイクルが伊都エリアで実現されることを目指しています。
そのゴールに向かうために、今のQCOMが直面している課題は、自分たちがコンポストで得られた、たい肥の品質がどの程度のものか客観的に評価できていないところだと思っています。肥料として流通しているものと遜色のないものであると判断できれば、自信をもって、キャンパス内の農場や地域の実用の場面に還元できると考えています。

5.その課題解決に向けて、どのようなアプローチを考えていますか?

まずは、メンバーが共創学部生に偏ってしまう傾向があるので、他の学部生や院生からも参画を促したいと思います。実は、週に2回の学生寮での生ごみ回収作業をこれまではQCOMのメンバーで実施していましたが、学生寮に居住している学生にも手伝ってもらい、自主化の推進を図るようにしています。また、環境問題をテーマとした学生イベントなどには積極的にQCOMとして参加し、興味を持っている学生によりQCOMの活動が届くような努力をしていきたいと思っています。