現在,人類は気候変動,食料問題,経済格差など,解決すべき様々な課題に直面しています.そうした中で,2015年に国連サミットでSDGs: Sustainable Development Goals 「持続可能な開発目標」が策定され,様々な社会課題の解決に向けて,2030年までに達成すべき世界共通の目標が明確化されました.国連は2020年からの10年間をSDGs達成の取り組みを加速させていく「行動の10年」とし,持続可能な社会の実現に向けた取り組みのスピードを速めていくことを呼びかけています.本学も,目標達成のための解決策の探求を加速していくことが期待されているといえます.
九州大学は,「人類の持続可能な開発」に貢献することを目標として掲げています.人類の持続可能な開発のためには,以下の3つの要件が必要になります.
① 将来の世代のニーズを充足する能力を損なうことなしに、今日の世代のニーズを満たしうるような発展(「快適未来社会」に相当)を進める.
② 2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロ目標へ向かわせる(「脱炭素社会」に相当).
③ 健康かつ安心な社会を担保する(「健康安心社会」に相当).
これらを要約すると,資源環境制約のもとで,人類の生活の質を担保し,現在と将来世代のウェルビーイングを向上する社会へ向かうことが必要である,といえます.