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気候変動と生物多様性の危機対策 意思決定に科学的根拠を

~政策立案者へ影響を与え、効果のある意思決定へ~

ポイント

・激甚化している気候変動、社会不安につながる生物多様性劣化には喫緊の対策が必要
・気候変動、生物多様性劣化に対する国際的な対策枠組みには科学的根拠が重要
・政策立案者へ影響を与え、効果のある意思決定へ

概要

 気候変動によるとされる激甚な災害が世界各地で起こり、現在その方向性について世界で合意し対策を進めようとされています。昨年、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)と生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学と政策プラットフォーム(IPBES)から推薦された約50人の専門家が、気候変動と生物多様性の科学界を結集した初の共同ワークショップ報告書※1を作成し、気候変動が生物多様性へも非常に深刻な影響を与えることを発表しました。
 この報告書では、パリ協定や生物多様性条約の2020年でなされた合意を同時に達成するために必要なことは、技術政策や環境政策だけではないことが示されています。そして、経済構造の変化や社会の大きなシフトを含めた変革が、即時かつ持続的な努力に依存することが明らかにされています。
 今回、このワークショップにも参加した九州大学工学研究院の馬奈木俊介主幹教授らが報告書を基に新たな論文を発表しました。地球の緊急事態に効果的かつ公平に対処するためには、経済や社会全体で深く緊急に変化を起こし自然資本を高めネイチャーポジティブを推進することが重要であると論じています。また、現在の斬新的な変化では人や自然への深刻な悪影響を避けるには遅すぎる危険性もあり、より広範囲でシステム全体の変化が必要であると論じています。
 この論文は、科学雑誌『BioScience』に掲載され、2022年6月1日に公開されました。

解説

※1:「IPBES-IPCC Co-Sponsored Workshop Report on Biodiversity and Climate Change」
(https://www.ipbes.net/events/launch-ipbes-ipcc-co-sponsored-workshop-report-biodiversity-and-climate-change)
2021 年 6 月 15 日付け九州大学 HP トピックス
(https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/topics/view/1686)

詳細

九州大学プレスリリースをご参照ください。

藤本信介氏講演会「映画のような21年のストーリー in 韓国」

育児期間中の女王アリにおいて飛翔筋分解と同調した「胸嚢」の形成過程を解明

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