menu

今世紀初頭から九州地方の梅雨に準4年変動が顕在化

~近年の豪雨災害激甚化の背景が明らかに~

ポイント

・線状降水帯等による甚大な豪雨災害が九州地方中心に近年頻繁に発生しています。減災・防災の観点から近年の豪雨頻発の背景の解明が求められています。
・本研究で、梅雨期の降水量が最も多い九州南部を中心に、今世紀初頭から降水量の年々変動が大きくなり準4年変動(4年前後の周期変動)が顕在化していることを初めて見出すと共に、その主要因を明らかにしました。
・梅雨は1980~90年代の安定期から今世紀に入って不安定期に移行しており、数十年規模の大気海洋変動が近年の豪雨頻発の背景にあることがわかりました。気候システムの自然変動の影響を正確に把握することが、逆に地球温暖化の影響を客観的に評価することにも繋がります。

概要

 近年梅雨期において九州地方を中心に、線状降水帯が関係する甚大な豪雨災害が頻発しています。ところが、なぜ豪雨災害の激甚化を思わせるような豪雨が近年頻発しているのかよくわかっていませんでした。本研究で、九州大学大学院理学研究院所属、日本学術振興会特別研究員の藤原圭太氏(研究当時)と同大学院理学研究院川村隆一教授は、高精度の降水量推定を可能にした最新の衛星全球降水マップ(GSMaP)を用いて梅雨期の総降水量の近年の変動傾向を調査したところ、梅雨期降水量が最も多い九州南部を中心に、今世紀に入ってから総降水量が年によって大きく変動しており、準4年変動が顕在化していることを初めて明らかにしました。
 また他の衛星観測データや気象庁アメダス降水量データも併用した結果、梅雨期降水量の年々変動は1980~90年代の安定期から今世紀に入って不安定期に移行していることもわかりました。なぜ今世紀初頭から準4年変動が顕在化したのかその要因を探ったところ、熱帯インド洋と西太平洋間の東西鉛直循環に関連した熱帯の遠隔影響が梅雨を変動させる可能性は従来から指摘されていましたが、その遠隔影響が数十年規模で変調していることが主要因の一つであることが見出されました。これらの知見は豪雨被害を軽減するための梅雨降水量の中長期予測の精度向上に資することが期待されます。また梅雨期における豪雨発生頻度や強度の将来予測の信頼性を高めるためには、熱帯インド洋・太平洋の数十年規模の大気海洋変動の動態とその予測可能性を詳しく調べていく必要があります。
 本研究成果は,2022年7月25日(月)に国際学術誌「Scientific Online Letters on the Atmosphere」にオンライン掲載(早期公開)されました。また本研究はJSPS科研費補助金(JP19H05696, JP20H00289)の助成を受けました。

詳細

詳細はプレスリリースをご参照ください。

重力の実在性の破れを検証する方法を提案

ドラッグリポジショニングによる 希少疾患に対する医薬品開発(第60回 Q-AOS Brown Bag Seminar Series)

関連記事

  1. 「余分な湿気を取り除く活性炭」(第36回 Q-A…

    大学院 総合理工学研究科博士課程3年 チャイルンニサ九州大学アジ…

  2. 【学内向け】Online Poster Sess…

    【学内向け】Online Poster Session Part 4 JST…

  3. 光を一方向に進む表面波に変える人工ナノ構造の実証…

    ~トポロジカル絶縁体の理論を応用したナノ光制御~ 私たちの日常生活に…

  4. Al-Ti合金において高温超伝導状態の創出に成功…

    ~機械学習による“探索指針の提案”と“超伝導組織の予測” ~ポイント…

  5. 細胞が基板表面に接着する「瞬間」を高時空間分解能…

    〜ナノサイズの線維状構造体を放射状に出し、細胞が自らを仮留めする〜 …

  6. 歯科インプラント治療の現状と未来(第67回 Q-…

    歯学研究院 口腔機能修復学講座教授 鮎川 保則九州大学アジア・オ…

  7. 「未来共創リーダー育成プログラム」プログラム説明…

    「未来共創リーダー育成プログラム」プログラム説明会について未来共創リ…

  8. 日本・スウェーデン学術機関記念セミナー│藤川茂紀…

    日本・スウェーデン学術機関記念セミナー│藤川茂紀主幹教授ゲストレクチャー…

PAGE TOP