2022年度九州大学公開講座「現代数学入門」
九州大学 大学院数理学研究院とマス・フォア・インダストリ研究所 は、福岡県教育委員会の後援を得て、高校生を含む市民の皆様に楽しい数学の心をお伝えするため、標記の講座を開講いたします。
開催日時:2022年8月9日(火)10時30分~8月10日(水)15時30分
開催場所:伊都キャンパスIMIオーディトリアム(福岡市西区元岡744 ウエスト1号館 D棟4階)
定 員:先着60名
<講義題目・講師・概要>
○基本群入門(第1日)
○講師:蔦谷 充伸(九州大学 数理学研究院 准教授)
○講義内容:携帯電話の充電器やイヤホンのコードがかばんの中で絡まってなかなかほどけない、という経験をしたことのある人も多いと思います。このように「物が絡まる」現象も立派な数学の研究対象であることをご存知でしょうか。そういった対象は「結び目」や「絡み目」と呼ばれ、二つの与えられた結び目が「同じ」なのか「違う」のか、など様々な観点から研究されています。この講義ではそのような問題へのアプローチの一つである「基本群」を紹介します。2000年代に入ってようやく解決された有名なポアンカレ予想にも表れる基本群ですが、非常に素朴なアイデアで定義されるものです。
抽象的で少し難しい話題ですが、集合や二項演算、群の定義など、基本的な概念の説明から始めて、重要な定理であるファン・カンペンの定理を紹介し、ポスターにも描かれている3つの輪からなる図形(ボロミアンリング)と基本群の
関係を見ることを目標にしてお話ししたいと思います。
○データを集めて分析する(第2日)
○講師:佃 康司(九州大学 数理学研究院 准教授)
○講義内容:一般に、意思決定を下すにはどういう方法があるでしょうか?
例えば自身の経験に基づく方法や勘に基づく方法があると思います。場合によっては、客観的事実に基づいて決定したいという動機があるかもしれません。客観的な事実を観察するには、正しい手順で分析することで妥当な結論を得られるような質の良いデータを集めて、手順通りに分析することが重要と考えられます。統計学ではデータを集めるための方法やデータを分析するための方法が議論されます。理論的に正当化された統計的方法は客観的事実に基づいた意思決定を行うための一つのツールと言えるでしょう。本講座では、データを集めて分析する上での統計学の基本的な考え方といくつかの分析法を説明します。
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