環境疫学研究によるPM2.5と妊娠糖尿病との関連性についての知見

~PM2.5 と妊娠糖尿病との関連性~

ポイント

・日本の妊婦集団を対象とする疫学研究でPM2.5と妊娠糖尿病との関連性を示した。
・妊娠の時期に分けて検討したところ、初期におけるPM2.5濃度が影響していた。
・日本では初めての研究成果であり、PM2.5の健康影響に関する新しい知見を追加した。

概要

 東邦大学、九州大学、国立環境研究所、東京都環境科学研究所による研究グループは、近年糖尿病の危険因子である可能性が指摘されている大気汚染物質の一つである微小粒子状物質PM 2.5 )が、妊娠糖尿病とも関連している可能性を報告しました。国際的には相対的に高い濃度の PM 2.5 が妊娠糖尿病を増やすという 報告はありましたが、日本の妊婦集団を対象とした疫学研究としては初めての 研究 成果になります。本研究は我が国における PM 2.5 の健康影響について、新しい知見を追加するものです。
 この成果は2022 年 9 月 26 日に 日本医師会が発行する医学専門誌 “JMA にて発表されました。

用語解説

(注 1) 妊娠糖尿病
「今まで糖尿病と言われた事がないにも関わらず、妊娠中に初めて指摘された糖代謝異常で糖尿病の診断基準をみたさない」ものと定義されます。
日本内分泌学会による一般の方向けの情報:http://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=94
妊娠糖尿病の診断を受けた女性は、診断を受けていない方と比べて、その後、生活習慣病の 1 つである糖尿病になりやすいと言われています。

詳細

詳細はプレスリリースをご参照ください。

福岡アジア文化賞歴代受賞者学術交流事業:アジアを海から考える

RNA上の”U”を”C”に書き換える技術を開発

関連記事

  1. 生体分子モーターは細胞内道路の新陳代謝を促進する…

    生体分子モーターは細胞内道路の新陳代謝を促進する 九州大学大学院芸術…

  2. 九州地方において中国からの越境大気汚染の減少を示…

    九州地方において中国からの越境大気汚染の減少を示唆!渓流水質にも反映…

  3. 神経性やせ症(拒食症)の脳機能異常を網羅的に解明…

    世界初 多施設共同研究によるfMRIデータの大規模解析ポイント・…

  4. 網膜色素変性の進行にかかわる免疫細胞として、末梢…

    ~炎症性単球をターゲットとした新しい治療薬の開発へ~ポイント・網…

  5. 成功にも失敗にもルールがある

    〜細胞分裂装置の正しい作り方〜概要 我々ヒトを含む真核生物は…

  6. 九州大学病院・メディフォン株式会社 共催セミナー…

    ~九州大学病院IPAC 国際化への軌跡~ 昨今、在留外国人の受診…

  7. 井上和秀 特別主幹教授が瑞宝中綬章を受章

    ~高等研究院の井上和秀 特別主幹教授が令和6年春の瑞宝中綬章を受章しました。…

  8. 【3/21開催】九州大学発 九州大学看護共創・実…

    ~九州大学発看護ケアサイエンスの実装推進を目指して~人々の健康を取り…