~量子コンピュータの動作状況に合わせ機能する誤り訂正機構を実現~
日本電信電話株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島田 明、以下「NTT」)と国立大学法人 九州大学(総長:石橋 達朗、所在地:福岡県福岡市西区元岡744番地、以下「九州大学」)と国立大学法人 東京大学(総長:藤井 輝夫、所在地:東京都文京区本郷七丁目3番1号、以下「東京大学」)は、量子コンピュータの動作に応じ動的に誤り訂正を行うことで、誤り耐性量子コンピュータの拡大における障害とされてきたバーストエラーの影響を大幅に削減するアーキテクチャを世界で初めて提案しました。
概要
本研究グループはバーストエラーの影響を大幅に削減する量子コンピュータのアーキテクチャを提案しました。本提案では量子コンピュータを制御する通常の計算機の制御機構に追加の論理ユニットを加えることで、超伝導量子ビットで宇宙線により生じるバーストエラーの持続時間や影響範囲を大幅に抑えられることを示しました。本件では特性が最も調べられていた宇宙線を前提に評価を行いましたが、本手法はデバイスを問わず一定の特性を満たす任意のバーストエラーに対し適用可能です。従って、本提案手法は世界的に懸念されていたバーストエラーの影響を制御機構の更新のみで軽減するものであり、大規模な量子コンピュータの実現に貢献するものと考えます。本研究では NTT がバーストエラーに耐性を持たせる機構の提案とエラー推定に関するアルゴリズムの提案を、九州大学が計算機アーキテクチャとしての手法の洗練と具体的な回路実装による評価を、東京大学が異常検知に関する統計的な解析と宇宙線の影響の物理的背景に関する検討を担当する形で共同研究を行いました。
詳細
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