胎児期の鉛と小児期早期の神経発達との関連

~子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)について~

ポイント

・エコチル調査の全国10万組の親子のデータを用いて、エコチル調査九州大学サブユニットセンターは、胎児期の鉛へのばく露[※1]と3歳までの神経発達の関連を調べました。
・妊娠中の母体血と出生時の臍帯血の鉛濃度は、これまでの報告と比べて非常に低濃度で、それらの濃度と1歳・2歳・3歳での神経発達遅延傾向(遅延が疑われること)に明らかな関連は認められませんでした。
・本研究は環境省の予算により実施しました。本研究の内容は、すべて著者の意見であり、環境省及び国立環境研究所の見解ではありません。

概要

 エコチル調査福岡ユニットセンター(九州大学小児科)助教の井上らの研究チームは、国立研究開発法人国立環境研究所(以下「国立環境研究所」という。)と共同で、エコチル調査の約10万組の親子のデータを使用して、胎児期の鉛へのばく露[※1]と3歳までの神経発達の関連について解析しました。その結果、妊娠中の母体血と出生時の臍帯血の鉛濃度と1歳・2歳・3歳での神経発達遅延傾向(遅延が疑われること)に明らかな関連は認められませんでした。なお、母親の認知機能検査が実施されていない、臍帯血の解析数が限られているなどの制約があり、更なる詳細な調査が必要です。
 本研究の成果は、令和4年9月12日付で、自然科学分野の学術誌『Scientific Reports』に掲載されました。
※本研究の内容は、すべて著者の意見であり、環境省及び国立環境研究所の見解ではありません。

用語解説

[※1] ばく露:私たちが化学物質などの環境にさらされることを言います。身体の表面から中に入ってくることは吸収などと呼び、ばく露とは区別しています。

詳細

プレスリリースをご参照ください。

芸術工学研究院高取研究室とかなたけの里公園との共同研究プロジェクト「CYCLE CYCLE PROJECT」がスタートします!

バーストエラーに耐性のある量子コンピュータのアーキテクチャを世界で初めて提案

関連記事

  1. 《5/28開催》第188回アジア・オセアニア研究…

    森 健 教授(工学研究院 応用化学部門)九州大学アジア・オセアニア研…

  2. DNA複製へのスイッチ、鍵は何?

    〜 細胞増殖へ進むか止まるか、正常な細胞とがん細胞の違いを発見〜ポイ…

  3. 老化した細胞が鉄で死なない仕組みを解明

    〜リソソームの酸性度が細胞死の鍵を握る〜工学研究院佐久間 臣耶 准教…

  4. オリンピックスタジアム(新国立競技場)における自…

    〜屋外環境でのコロナウイルス飛沫,PM2.5,花粉等の精密な拡散予測への応用…

  5. 第4回小児がんのこどもの教育を考える講演会

    病気療養中の小中高校生の教育の充実を求めて~学校と病院で連携してできる支援の…

  6. 農学研究院善藤 威史 准教授らの研究グループが、…

    「乳酸菌バクテリオシン、ナイシンを利用した安全な口腔ケア剤の開発と事業化」が…

  7. 大規模多施設データ解析から見えた日本における炎症…

    ~白血病・胆道がんのリスクが上昇する一方、免疫抑制療法によるリスク上昇は確認…

  8. 「Societal Design Symposi…

    「Societal Design Symposium」参加者募集九州…