オリンピックスタジアム(新国立競技場)における自然風による風力換気現象の再現に成功

〜屋外環境でのコロナウイルス飛沫,PM2.5,花粉等の精密な拡散予測への応用に期待〜

 九州大学応用力学研究所の内田孝紀准教授は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、屋外環境におけるウイルスの飛沫拡散予測とその具体的な対策を目的とした研究開発を株式会社環境GIS研究所と開始しました。第一段階として、オリンピックスタジアム(新国立競技場)を対象とし、自然風による風力換気現象のコンピュータシミュレーションを行いました。株式会社環境GIS研究所は、地理情報システム(GIS)の最新技術に基づいてオリンピックスタジアム(新国立競技場)の3次元モデリングデータを構築しました。内田准教授は、一連のモデリングデータを入力データとし、2020年3月から応用力学研究所に導入されたベクトル型スーパーコンピュータSX-Aurora TSUBASA/NECにより大規模な数値流体シミュレーションを実施しました。その結果、オリンピックスタジアム(新国立競技場)の上空に3 m/s程度の北風が吹いていた場合、スタジアム内に設定した換気対象の流体層は、自然風の効果により、約20分でほぼすべて換気されることが視覚的に明らかになりました。このように、通常は可視化することが難しい流動現象やウイルス等の拡散現象をコンピュータ内に視覚的に再現し、誰もが理解しやすい動画にて提供することは、屋外環境における新型コロナウイルスの飛沫拡散現象の理解とその具体的な対策に極めて有効な手段であると言えます。
 一連の研究成果は、2021年6月9日(水)に国際学術雑誌「Modelling and Simulation in Engineering」に掲載されました。今後、解析ケースを増やし、定量的な評価を行うとともに、PM2.5や花粉等の精密な拡散予測へも適用していく予定です。

詳細

プレスリリースをご参照ください。

災害とコミュニティと社会関係資本(第9回 Q-AOS Brown Bag Seminar Series)

国内絶滅と思われていた水生昆虫、56年ぶりに再発見!

関連記事

  1. アーキアのDNA複製酵素がプライマー合成から鎖伸…

    〜アーキアのDNA複製機構の解明に期待〜 九州大学大学院農学研究院の…

  2. 第77回アジア・オセアニア研究教育機(Q-AOS…

    基幹教育院 自然科学実験系部門田中 真理 教授九州大学アジア・オ…

  3. 九州大学芸術工学研究院とコルグが、DSDアンビソ…

    ~ 九大芸術工学研究院とコルグが、DSDアンビソニックス配信技術を協働で開発…

  4. 《3/5開催》第179回アジア・オセアニア研究教…

    若林 真美 准教授(アジア・オセアニア研究教育機構 海外実装部門)九…

  5. RNA転写の終わりとがん細胞の増殖の密な関係

    ~転写と複製の衝突を誘導するがん治療戦略への発展に期待~生体防御医学研究…

  6. 日本・スウェーデン大学間連携による「MIRAI …

    2025年11月16日から21日にかけて、スウェーデン・ヨーテボリで MIR…

  7. トカラ海峡の岩礁で生じる強力な混合と黒潮の肥沃化…

    〜世界最大級の乱流混合・栄養塩供給のメカニズムを捉えた〜 最新の計測…

  8. 人社系副専攻プログラムSDGsセミナー vol.…

    ~ 持続可能な社会に向けた現場の取り組みを学ぼう ~ 本セミナーでは…