ボトムアップ型エネルギーシステム構築の文化的重要性

人々の選好を通じた低炭素社会の実現に向けて

ポイント

・エネルギーシステムに対する選好と文化的裏付けの関係を解明
・人種集団ごとにエネルギーシステムの選好の差異はあるが、どの集団もクリーンかつ安定供給可能なエネルギーを重要していることを把握
・米国の人口動態、電力インフラの地域差、人種集団ごとの選好を反映した将来エネルギーシステムデザインを明示

概要

 九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER)のAndrew Chapman准教授らによる研究グループは、強靭で公正かつ効果的なエネルギーシステムの構築にとって文化的要素 (例:人種集団間の価値観の差異) の考慮が重要であることを新たに明らかにしました。
 本研究グループは、九州大学I2CNER(Chapman准教授, Saha教授, Karmaker研究員)、長崎大学環境科学部(重富准教授)及びイリノイ大学原子力・プラズマ・放射線工学研究科(Brooks准教授)によって構成され、学際的かつ国際的な視点に基づく研究成果が得られています。
 本研究では、文化的要素がエネルギーシステムと結びついており、各人種集団によってエネルギーに対する考え方や優先順位(選好)が異なる点に着目しました。その上で、米国における人口動態の将来変化と電力インフラの地域差を反映させたエネルギーシステムを分析しました。その結果、人種集団ごとに希望する将来エネルギー源はそれぞれ異なるものの、すべての人種集団が安定したエネルギー供給の必要性を認識しており、天然ガスとともに太陽光や風力を中心とした再生可能エネルギーを重視していることがわかりました。そして、人種集団ごとの文化的要素を考慮することで、より公平で民意に沿ったエネルギーシステムが実現可能であり、さらに2050年までに再生可能エネルギーの導入が米国エネルギー情報局の予測よりも19%増加しうることも明らかになりました。
 本研究成果は、2022年8月1日(月)出版の学術雑誌『Energy Economics』(インパクトファクター:7.042)に掲載されました。

詳細

プレスリリースをご参照ください。

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