九州大学応用力学研究所が大手企業4社と洋上風力に関する共同研究を開始

~研究所発の数値風況予測技術で風車ウエイク研究をさらに加速~

 日本の技術による、日本の環境に調和した、日本版洋上風力発電(沿岸/沖合/着床/浮体)を早期に実現するためには、大学と複数の企業が産学連携スキームで一丸となり、スピード感をもって研究開発に取り組むがことが重要であることから、九州大学応用力学研究所の内田孝紀准教授の発案の下、九州大学は東芝エネルギーシステムズ株式会社、日立造船株式会社、東京ガス株式会社、ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社と共同研究契約を締結しました(※1)。特に、大規模洋上ウィンドファームのバンカビリティ(融資適格性)評価や低コスト化に直結する「風車ウエイク研究(※2)」を最重要検討課題と位置づけ、これをさらに加速していきます。具体的には、風車模型を用いた室内風洞実験、スーパーコンピュータによる大規模数値シミュレーション、ライダー等のリモートセンシング技術やドローン(UAV)による商用大型風車を対象とした野外計測を総合的に実施していきます。野外計測は、日立造船株式会社とジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社が運営する風力発電所を活用して行う計画です。野外計測と同時に、風洞実験、数値風況シミュレーション、野外計測から得られたビッグデータにAI等のデータサイエンスのアプローチも適用していきます。

 本共同研究のコア技術は、内田准教授が開発している「数値風況予測モデル・リアムコンパクト (※3)」です。最大の特長は、風向変化や大気安定度などを考慮しつつ、風車ブレードの回転に起因した風速減衰効果(風車ウエイク)とその非線形・相互干渉を時間の変化とともに忠実に再現可能であることです。さらに、2018年4月から継続している東芝エネルギーシステムズ株式会社と日立造船株式会社との共同研究では、風力発電事業者が利用しやすい「CFDポーラスディスク・ウエイクモデル(※4)」の開発に成功し、秋田県雄物川風力発電所の風車ウエイクの実測データとの比較を通じて、本ウエイクモデルの有効性が実証されました。一連の研究成果は、2021年4月9日(金)に国際学術雑誌「energies」に掲載されました。

 CFDポーラスディスク・ウエイクモデルが実装されたリアムコンパクトは、2021年度中のリリースを目指し、「洋上版リアムコンパクト・ソフトウエア」として現在準備が進められています。本共同研究の最終目的は、洋上版リアムコンパクト・ソフトウエアに基づき、シミュレーション技術に基づいた日本版バーチャル洋上ウィンドファーム(海風・陸風を含む洋上風況精査、ウィンドファームの経済性評価、風車の寿命・耐久性評価、ウエイクマネジメント等)の構築と導入に関する標準化手法(ガイドライン)を確立することです。

詳細

九州大学プレスリリースをご参照ください。

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