ベトナムで奇妙な寄生バチの新種を16種発見

〜世界のカブトバチ類の種数が一気に3割以上増加〜

ポイント

・寄生バチの一種であるカブトバチ類は謎に包まれたハチで、カブトバチ類の発見から150年近く、誰も生態観察に成功していません。
・今回ベトナムの調査で得られたカブトバチ類の分類学的研究を行い、16種の新種を発見。また、ナナフシの卵を隠すために地面に巣穴を掘ることを世界で初めて明らかにしました。
・カブトバチの形態的多様性と生活史の研究を進めることで、ハチの仲間の産卵行動の進化や、不思議な形態の謎の解明に繋がると期待されます。

概要

 寄生バチは生態系の調節機能を担う重要な役割を持っていますが、その種多様性や生活史がわかっていないグループがいまだ数多く存在します。カブトバチの仲間はナナフシの卵に寄生すると言われている寄生バチで、ロボットのような不思議な形をしています。

九州大学大学院農学研究院の三田敏治助教、九州大学大学院生物資源環境科学府博士課程の卒業生の久末遊(2023年修了)博士、ベトナム国立自然博物館のPHAM Hong Thai博士らの研究グループは、今回ベトナムの調査で得られたカブトバチ類の分類学的研究を行い、16種の新種を発見しました。また、150年近く生活史が謎に包まれていましたが、Loboscelidia squamosaと名付けた新種を観察し、ナナフシの卵を隠すために地面に巣穴を掘ることを世界で初めて明らかにすることができました。

世界全体でこれまでに知られていたカブトバチ属の種数は51種でしたので、本研究により種数が67種と、実に3割以上増加しました。カブトバチ類は稀な寄生バチと考えられていましたが、現在の理解よりはるかに個体数が多く、種多様性も高い寄生バチである可能性も出てきました。また、明らかになった産卵行動は、寄生バチというより、狩りバチでみられる巣作りの習性に近いと考えられます。カブトバチの形態的多様性と生活史の研究を進めることで、ハチの仲間の産卵行動の進化や、不思議な形態の謎を解き明かすヒントになるかもしれません。

本研究の成果は国際学術誌「European Journal of Taxonomy」に2023年8月4日(日本時間)に掲載されました。

詳細

詳細は九州大学プレスリリースをご参照ください。

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